生命保険の保険料平均はいくら?年代・年収・ライフステージ別に解説

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保険の基礎知識
生命保険の保険料平均はいくら?年代・年収・ライフステージ別に解説
生命保険に加入すれば、自分や家族に万が一があった際でも保障がされ、安心して生活できます。ただし、年齢やライフステージによって一人ひとりに合った保障内容は異なります。手厚すぎる保障やほかの保険サービスと重複した保障が含まれている場合、月々の保険料支払いが大きくなり、家計の負担が重くなってしまうでしょう。適切に保険料を見直せるよう、自分のライフステージや年齢でどの程度の保険料が支払われているか確認し、参考にするのがおすすめです。 この記事では生命保険の保険料平均がいくらなのか、年代や年収、ライフステージ別に解説します。また、保険料負担を抑えたいときにチェックすべきポイントも伝えるため、自分の生命保険見直しを考えている方はぜひこの記事をご一読ください。

1.生命保険の平均的な保険料は?

生命保険は、契約するプランや付帯する特約によって保険料が大きく異なります。生命保険に毎月いくらかけるか考えるとき、参考となる資料の1つが平均的な保険料に関する情報です。

公益財団生命保険文化センターが発表した資料「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、2022年における平均的な年間払込保険料は17.9万円でした。

出典: (公財)生命保険文化センター ホームページ「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」をもとにGOESWELLにて作成

男女別および全体の統計データは、下記の通りです。

(単位:%)

※18~79歳までの男女3,216人を対象に集計

男性 女性 全体
12万円未満 33.0 44.1 39.5
12~24万円未満 29.1 31.0 30.2
24~36未満 15.7 11.6 13.3
36~48万円未満 6.2 3.1 4.4
48~60万円未満 2.5 1.4 1.9
60万円以上 4.5 2.4 3.3
平均金額 20.6万円 16.0万円 17.9万円

出典:(公財)生命保険文化センター ホームページ「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」をもとにGOESWELLにて作成

上記の統計データには、生命保険に加えて個人年金保険の加入者による保険料支払い情報も含まれています。 表から分かる通り、男女ともに12万円未満や12~24万円未満の層が全体の大半を占めています。12万円未満と12~24万円未満の層を合計すると、男性で62.1%、女性で75.1%と約7割の加入者が1か月あたり1~2万円の保険料をかけていることが分かります。一方で年間60万円以上、1か月あたり5万円の保険料をかけている層はおよそ3%です。 全体の流れを性別で見ると、年間払込保険料24万円未満までは女性が平均額を上回り、24万円以上は男性の割合が平均額を上回ります。

1-1.生命保険の年間払込保険料の変遷

近年は保険料負担の少ない保険商品も登場しており、年間払込保険料の金額は減少傾向にあります。「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」を参照すると、過去8回の調査結果は下記の通りでした。

※過去の集計と時系列比較をするために、前回までと同様に対象年齢を18~69歳として再集計

統計年 平均金額
2022年 18.7万円
2019年 19.6万円
2016年 19.7万円
2013年 20.7万円
2010年 21.6万円
2007年 23.7万円
2004年 25.2万円
2001年 28.0万円

出典:(公財)生命保険文化センター ホームページ「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」をもとにGOESWELLにて作成

上記は男女両方かつ、年間払込保険料12万円未満から60万円以上までの層全体における平均金額です。2001年と2022年の平均金額を比較すると、21年で9.3万円負担が小さくなっていることが分かります。 ただし毎回、同程度の推移が見られるわけではなく、年によって変化の度合いは異なります。各統計年の変化を見ると、3年間で推移が最大であった時期は2001年から2004年にかけての2.8万円です。対して、変化が最小であった時期は、2016年から2019年の0.1万円です。 全体の傾向では、2001年から2010年までの9年間に大幅な推移があり、2013年以降は大きくても1万円前後と変化の幅が小さくなっています。

1-2.【年代別】保険料の平均金額

自分に合った保険料を見極めるために、同年代の加入者が生命保険にかける平均金額を指標とする方法もあります。年齢の変化も、生命保険のプランや付帯特約を選ぶときに影響を与えやすい要素の1つです。 資料「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、年代別で男女それぞれの年間払込保険料の推移は2022年時点で下記の通りでした。
年代 男性 女性
20代 11.9万円 9.6万円
30代 19.9万円 14.0万円
40代 22.4万円 18.6万円
50代 25.5万円 19.0万円
60代 21.2万円 15.9万円
70代 16.4万円 13.0万円

出典:(公財)生命保険文化センター ホームページ「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」をもとに作成GOESWELLにて

年代別で見た場合の主な特徴は、50代までは男女ともに保険料の負担が徐々に大きくなっている一方で、60代以降は減少傾向にあることです。特に男性は30代・40代・50代でそれぞれ3万円前後と大幅な推移が見られます。 年間払込保険料の負担におけるピークは、男女ともに50代です。男性と女性の差が大きく開く年代も50代で、6.5万円の差があります。60代以降は男女のどちらも3万円前後の減少傾向となっており、どちらも30代時点の負担の割合よりも小さくなっています。

1-3.【年収別】保険料の平均金額

定期的に支払う保険料は、家計とのバランスを考慮するのも大切です。一般的に、収入の変化を契機として、加入する生命保険の数を増減させたり保険料の金額を見直したりすることはよくあります。 「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」の統計データによると、年収別で見た場合の年間払込保険料は下記の通りでした。
年収 男性
収入はない 11.6万円
300万円未満 15.6万円
300~500万円未満 17.8万円
500~700万円未満 25.3万円
700~1,000万円未満 29.0万円
1,000万円以上 34.4万円
年収 女性
収入はない 13.6万円
100万円未満 13.1万円
100~300万円未満 14.7万円
300~500万円未満 20.5万円
500万円以上 34.7万円

出典:(公財)生命保険文化センター ホームページ「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」をもとにGOESWELLにて作成

統計データを見る上で注意したいポイントが、男性と女性で公表されている年収の分け方が異なる点です。男性は500万円以上も700万円や1,000万円を区切りとしたデータがある一方で、女性は「500万円以上」にまとめられています。 正確に比較できる500万円未満までの男女それぞれの傾向を見ると、300万円未満までは男女に大きな差がなく、全体で見れば女性のほうが高めの保険料を負担しています。

1-4.【ライフステージ別】保険料の平均金額

ライフステージが変われば、同じ保険料であっても負担を大きく感じたり小さく感じたりする場合があります。ライフステージの変化とは、たとえば結婚、出産、子供の独立など、たびたび生じる人生の節目のことです。 「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」に関する資料を見ると、主なライフステージ別に年間払込保険料の平均額は下記の通りでした。
ライフステージ 払込保険料の金額
夫婦のみ(40歳未満) 21.0万円
夫婦のみ(40~59歳) 37.4万円
末子乳児 33.2万円
末子幼稚園児・保育園児 40.2万円
末子小・中学生 36.9万円
末子高校・短大・大学生 36.3万円
末子就学修了 42.1万円
高齢夫婦有職(60歳以上) 37.9万円
高齢夫婦無職(60歳以上) 31.9万円

出典:(公財)生命保険文化センター ホームページ「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」をもとにGOESWELLにて作成

夫婦のみの世帯においては、40歳未満の層と、40~59歳の層で15万円以上の差が見られます。一方、60歳以上の夫婦を見ると、仕事に就いているか否かで分けても6万円の差程度に収まっています。有職・無職のいずれも31万円以上の年間払込保険料となっており、40歳未満に比べると負担額が大きいことが特徴です。 子供のいるケースを大まかに見ると、年間払込保険料のピークは2つあります。末子が幼稚園または保育園に入園している時期と、就学修了の時期です。子供の成長に合わせて数万円の変化はありつつも、全体的に36万円以上を推移しています。

2.保険料負担を抑えたいときにチェックすべきポイント

生命保険の保険料負担を抑えたい方は、現状把握だけでなく、将来像も視野に入れることが大切です。負担を抑える生命保険の選び方や見直し方のコツとして、3つのポイントを紹介します。
今後のライフステージを考えて保障内容を再考する
ライフステージの変化にともない、保障内容との相性も再考が必要となることがあります。たとえば若いうちや独身の頃に加入した保険の場合、子供が生まれたときを想定した保障内容ではない可能性が考えられます。新たに生命保険へ加入する方は、家族構成やライフステージの変化に合わせて保障内容を変更できるプランを選ぶなど、将来を考慮した計画を立てましょう。
支払える金額と保障内容のバランスを確認する
複数の生命保険を比較するときは、保険料に加えて保障内容とのバランスも重視することが大切です。ライフステージによって、優先度の高い保障内容は異なります。支払える金額の範囲内で、自分に合った保障内容が含まれているか、負担が大きいと感じる部分はないか慎重に検討しましょう。生活費や学費など家計に必要な金額と世帯年収を書き出して、無理なく支払える保険料の目安を決めておくと、シミュレーションしやすくなります。
特約の付帯内容や、加入している保険との保障の重複がないか見直す
世帯年収のほか、現在加入している保険や検討しているプランの保障内容を書き出すのも、毎月の負担を抑えることにつながります。生命保険に限らず、各保険には目的に応じてさまざまな特約を付帯できます。加入済の保険と一部の保障内容が重複している場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。保障内容の重複部分を可能な限り少なくすれば、保険料の負担を抑えられます。
ほかにも、保険料を抑えるコツについては下記のページで詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

保険料を抑えたい時の保険の見直し方

まとめ

生命保険の平均的な年間払込保険料は17.9万円であり、男女ともに12万円未満や12~24万円未満の層が全体の大半を占めており、年間払込保険料の金額は例年減少しています。 男女別で見れば、男性のほうが女性に比べて年齢別の払込保険料負担は大きく、50代ではおよそ6.5万円男性が女性を上回ります。一方で、年収別に見れば女性が男性より多くの保険料を負担しているのが特徴です。 ライフステージ別では、40歳未満の層と、40~59歳の層で15万円以上の差が見られるほか、家族のいる家庭の年間保険料は全体的に36万円以上を推移しています。