傷害保険とは? 必ず知っておきたい基礎をイチから徹底解説!

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保険の基礎知識
傷害保険とは? 必ず知っておきたい基礎をイチから徹底解説!
私たちは日常生活を送るなかで、階段を踏み外したり、交通事故に遭ったり、自転車に乗っていて転んだり、予想外のアクシデントでケガをしてしまうことがあります。そんな日常生活につきもののケガを補償してくれるのが傷害保険。 傷害保険に加入していれば、予期しえないケガによる治療費や通院費、手術費などを補償してくれます。しかし、傷害保険に興味はあるけれど、加入を考えたときに、ある程度の基礎知識がないと選ぶのにも大変だと思われる方も多いのではないでしょうか。 ここでは「傷害保険ってどんな保険?」「傷害保険ってそもそもなんで必要なの?」といった基本的な情報を分かりやすく解説していきたいと思います。傷害保険が向いている人の特徴についてもまとめましたので、加入を検討している方は最後までご覧ください。
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1.ケガに備えるための「傷害保険」とは?

傷害保険とは、傷害という名前からも分かるとおり「ケガ」に備えるための保険です。日常生活で起こる様々なケガのリスクに対応することができます。ただし注意したいのは、傷害保険で補償対象なのはケガのみだという点です。病気などは補償対象となりません。 保険金が支払われる例として、交通事故に遭ってケガをしたときや、仕事中・通勤中にケガをしたとき、階段で転んでケガをしたとき、スポーツ中に腕を骨折するケガをしたときなどが挙げられます。この保険金は、労災保険や健康保険からの給付に関係なく支払われます。 それでは、傷害保険はどのような補償を備えており、どのような場合に保険金を受け取ることができるのでしょうか。この章ではこの2点について詳しく見ていきたいと思います。

1-1 傷害保険の補償内容は?

まずは傷害保険の基本的な補償内容について解説していきます。傷害保険がメインで補償するケースとしては、自分がケガをしたときです。 基本的な補償として、通院補償、入院補償、手術補償、死亡・後遺障害補償の4つが挙げられます。たとえば、ケガをした日から180日以内に通院、入院、手術、死亡、後遺障害が生じたときに保険金が支払われるというイメージです。
【傷害保険の基本補償】 ●通院補償 ケガの治療のために通院した場合、1日につき所定の通院保険金日額が支払われる ●入院補償 ケガの治療のために入院した場合、1日につき所定の入院保険金日額が支払われる ●手術補償 ケガの治療のために手術した場合、所定の手術保険金が支払われる ●死亡・後遺障害補償 ケガにより死亡したり後遺障害が残ったりした場合、所定の死亡・後遺障害保険金が支払われる
また、基本補償だけではなく、特約のバリエーションも多彩です。たとえば、傷害保険のなかには、他人への賠償責任をカバーしてくれる「個人賠償責任特約」がセットになったタイプの商品もあります。個人賠償責任特約は、交通事故で相手にケガをさせてしまったときや、お店の商品を破損してしまったときなどに補償してくれます。 その他の特約としては、携行品特約、救援者費用特約、受託品賠償責任特約、ホールインワン・アルバトロス費用特約などがあります。商品によって自動で付帯されているものや、自分自身で選択して追加するものがあるので、どこまで補償範囲を広げたいかは保険料の許す範囲で決めると良いでしょう。
【傷害保険の特約】 ●個人賠償責任特約 偶然の事故により他人にケガを負わせたり、他人の財物を傷つけたりし、法律上の賠償責任を負った場合、その損害賠償金や訴訟費用等が支払われる ●携行品特約 所有している携行品(カメラ、衣類、レジャー用品等)に盗難・破損・火災など偶然の事故により損害が生じた場合、所定の保険金が支払われる ●救援者費用特約 旅行中等に航空機・船舶などが遭難し、遭難救助費用、移送費用、交通費、宿泊費等が発生した場合、その費用が支払われる ●受託品賠償責任特約 他人から借りたり預かったりした財物(受託品)を破損・紛失し、法律上の賠償責任を負った時、損害賠償金が支払われる ●ホールインワン・アルバトロス費用特約 ゴルフ場でホールインワンやアルバトロスを達成し、慣行としておこなう記念品購入・記念植樹・祝賀会などの費用が発生した場合、その費用が支払われる

1-2 傷害保険における「ケガ」とは?

先ほどお伝えしたように、傷害保険はケガを対象にした保険です。しかし、どんなケガでも補償対象というわけではありません。基本的に傷害保険において補償となるケガは、「急激性」「偶然性」「外来性」の3つの要件すべてを満たしているものに限られています。 ではそれぞれ、どのような状態のことを言うのでしょうか? 簡単にまとめると、次のとおりです。
【傷害保険におけるケガの3条件】 ●急激性 突発的に発生すること。原因としての事故から結果としてのケガまで、直接的でタイムラグがないこと。 ●偶然性 予知しえない出来事。原因もしくは結果の発生を予知できない/自らの意思に基づかないこと。 ●外来性 ケガの原因が身体の外部からの作用によること。身体に内在した疾病要因の作用ではないこと。
つまり、外部から突発的に発生した予知できない事故によりケガをした場合、傷害保険の補償の対象になるということです。より理解していただくために、逆に傷害保険におけるケガとして認められないものをいくつか見ていくことにしましょう。なぜそれらが補償の対象にならないのか考えながら読み進めてみてください。 まず、靴擦れや霜焼けはどうでしょうか。それらのケガは、継続的かつ日常的な所作の積み重ねによって生じるものです。したがって、「急激性」の要件を満たさないので、補償の対象にはなりません。 次に、すでに痛めていた手足を激しいスポーツを行うことで、さらに悪化させてしまった場合はどうでしょうか。このケースでは、十分に結果を予測・回避することが可能だと考えられます。なので、そこに「偶然性」は認められず、傷害保険では補償になりません。 同様に、飲酒運転・無免許運転などの違法行為、ロッククライミング・スカイダイビングなどの大きな危険のともなうスポーツを原因としたケガについても偶然とはみなされないようです。 最後に、心臓発作を原因として階段を踏み外しケガを負ったときにはどうなるでしょうか。これは原因が体の外部ではなく内部にあると解釈できます。ですから、このケガには「外来性」がないことになり、傷害保険の補償対象外となります。 このように傷害保険で補償の対象になるのは、急激性、偶然性、外来性の3つの条件がそろったケガです。この点はしっかり理解しておきたいポイントだと言えます。

1-3 傷害保険の保険料はどう決まる?

傷害保険では、職業に応じて保険料が決められます。医療保険などとは違い、年齢や性別、健康状態によって保険料が決まるわけではありません。 傷害保険においては、被保険者の職業を「職種級別A」「職種級別B」の2つのグループに大別しており、それに応じて保険料が異なります。「職種級別A」は事務職や営業職といったケガのリスクが低い職種、「職種級別B」はドライバーや建設作業者といったケガのリスクが高い職種です。 傷害保険はケガのリスクをカバーする保険なので、よりケガをする危険が大きい「職種級別B」に分類される職種に就いている場合、保険料は高く設定される仕組みです。 また、これらの職種グループとは別に、プロ格闘家、テストライダー、スタントマン、競輪選手、猛獣使いなど、より危険な職種については特別保険料率が適用されてさらに高額な保険料となることがあります。 傷害保険に加入した後に、職種が変わってAとBに変更が生じた場合は、保険会社に連絡をして保険料の変更手続きをする必要があります。

2.傷害保険と医療保険は何が違う?

傷害保険は通院や入院、手術が補償の対象になることから、何が医療保険と違うのかと疑問の声が良くあがります。どちらの保険もケガを負ったときの経済的なリスクをカバーしてくれるので、どちらに加入しても同じではないのかと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ですが、実は傷害保険と医療保険は明確に異なります。特に大きく違うのは、「補償(保障)の範囲」「保険料の決め方」の2点。それぞれどのような相違点があるのか、詳しく見ていきましょう。 ちなみに、無用な混乱を避けるためにあらかじめ確認しておくと、保険では「ほしょう」という言葉について「補償」「保障」など様々な漢字が用いられています。一般的に傷害保険では「補償」、医療保険では「保障」という表記を宛てがわれており、この記事でもその用法にならっています。

2-1 補償(保障)の範囲が違う

まず確認したいのは、それぞれの保険が何を補償(保障)の対象としているのかというポイントです。 医療保険では、「ケガ」や「病気」による入院・手術等の保障がメインとなります。それに対して、傷害保険では「ケガ」による通院・入院・手術等の補償が中心。傷害保険は病気に対する補償がありませんが、そのぶんケガに特化した保険なので、ケガについては手厚いサポートを受けられると覚えておきましょう。 また、傷害保険と医療保険の違いで特に注意したいのは、それぞれの「通院補償(保障)」が支払われる条件です。 傷害保険においては、ケガで通院さえすれば保険金を受け取ることができます。その一方で、医療保険では基本的に入院をともなう通院でなければ保障の対象に含まれません。シンプルに病気やケガで通院しただけでは保険金を受け取ることができないのです。 この点は同じ通院補償(保障)ながら、傷害保険と医療保険でかなり差が見られる部分なので、混同しないように気をつけましょう。

2-2 保険料の決め方が違う

医療保険と傷害保険では、保険料の設定方法も違います。 医療保険は年齢、性別、健康状態などによって保険料が決まります。そのため、加入時に健康状態を保険会社に申告する健康告知を求められるのです。 対して傷害保険は、前章でお話ししたように職種に応じて保険料が設定されます。年齢や性別、健康状態によって保険料が変わることはなく、健康告知もする必要はありません。したがって、これまでの病歴が心配な方は傷害保険のほうが加入しやすいでしょう。

3.傷害保険が向いている人

ここまで、傷害保険とはどんな保険なのかについてみていきました。ザックリとした傷害保険のイメージは得られたのではないかと思います。 最後に、傷害保険がどのような人に向いているのかをご紹介します。傷害保険の検討が必要な人は3タイプに大きく分けることができます。

3-1 スポーツなどアクティブな趣味を持っている人

自転車やバイク、スキーといったスポーツを趣味として楽しんでいる方は、ケガをする危険性が高いと言えるでしょう。いざというときに備えて、十分に加入を検討する余地はあると言えます。

3-2 ケガのリスクが高くなる高齢者

誰しも歳を取るにつれて足腰が弱くなり、ケガのリスクは高まっていきます。そのようなリスクをカバーする意味で、ご年配の方は傷害保険を考えてみても良いかもしれません。 もちろん医療保険も併せて考えてみるべきですが、「高齢なので保険料が高すぎる……」「すでに持病があって健康状態的に加入が厳しい……」という場合もあるでしょう。その点、傷害保険であれば、年齢で保険料が高くなったり、健康状態で加入が難しいということはありません。 比較的負担の軽い保険料でケガに対する手厚い補償を得られるので、ご年配の方にとって傷害保険はうまく活用できる場面もありそうです。

3-3 健康上の理由で医療保険への加入を諦めている人

前述したように、医療保険は加入時に健康告知を設けており、持病がある方は加入しにくいという現状があります。緩和型医療保険や無選択型医療保険など、「持病があっても入りやすい医療保険」も登場していますが、やはり保険料の割高感は否めません。 そんな健康上の理由から医療保険の加入を諦めている方は、まず傷害保険から検討してみてはいかがでしょうか。 持病や入院歴で医療保険には加入できなくても、傷害保険には加入できるというケースは決して少なくありません。過去に病気をしたかどうかに関わりなく、誰もがケガをしてしまうリスクは抱えています。今は病気に対する備えができなくても、せめてケガについてはしっかり備えておくと安心ではないでしょうか。 傷害保険は、健康上の不安で医療保険の加入を諦めている人に是非ともオススメしたい保険です。

まとめ:ケガのリスクに備えるには、プロに相談を!

いかがでしたでしょうか? 傷害保険のおおまかな情報は分かっていただけたかと思います。 まとめると以下のようになります。
  • ・傷害保険とは「日常生活のケガへのリスクに備えるため」の保険
  • ・傷害保険におけるケガは「急激性・偶然性・外来性」のものを指す
  • ・基本補償は「通院補償、入院補償、手術補償、死亡・後遺障害補償」
  • ・保険料は「職種の区分に応じて決まる」「危険の大きい職種だと保険料は高くなる」
  • ・傷害保険と医療保険の違いは「補償(保障)の範囲」と「保険料の決め方」
  • ・傷害保険に向いている人は「スポーツなどアクティブな趣味を持っている人」「ケガのリスクが高くなる高齢者」「健康状態の問題で医療保険への加入を諦めている人」
ケガのリスクに備えることは、自分だけでなく家族の生活を守ることにも繋がります。安心した生活を送るためには、補償内容や金額を含め自分に適した傷害保険選びをすることが大切です。 しかし、傷害保険も多くの保険会社からリリースされており、その中から自分の希望に沿ったものを選ぶのは決してカンタンではありません。そんなときは、保険のプロの意見もひとつの参考にしてみてはいかがでしょうか。 保険見直し本舗でも、知識や経験が豊富なコンサルティングアドバイザーによる無料相談サービスを行っています。「傷害保険の仕組みについてよくわからない」「もうちょっと詳しく保険の話を聞いてみたい」など些細なことでも結構です。 プロの立場から、皆さま一人ひとりのご希望に合わせて保険選びをサポートさせていただきます。お気軽に保険見直し本舗にお声がけください。心よりお待ちしております。
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