20代におすすめの生命保険は?加入のメリットや保険の種類を解説

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保険の基礎知識
20代におすすめの生命保険は?加入のメリットや保険の種類を解説

20代は就職や結婚などライフステージが変化しやすい年代であり、生命保険への申し込みを検討し始める方もいます。ただし、病気や怪我をするリスクは低い年代でもあるため、 本当に生命保険が必要なのか、保障はどの程度つければよいのか悩んでしまうこともあるでしょう。

当記事では、20代の保険加入率や保険の必要性、おすすめの保険について詳しく解説します。早い段階から万が一の備えを考えておきたい方はぜひ当記事を参考にしてください。

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1.20代の方に生命保険は必要?

生命保険は、病気や怪我など万が一に備えるためのものです。20代であっても、予期せぬ事故や病気にかかる可能性があります。その際に生命保険に入っていれば、自分自身や家族の生活を守る助けとなるでしょう。

しかし、他の年代と比較して、20代で生命保険に入っている人の割合は低い傾向にあります。以下では、20代の生命保険加入の実情として、加入率や平均的な保険料、加入のきっかけを解説します。

 

1-1.20代の生命保険加入率

生命保険文化センターによる「令和4年度生活保障に関する調査」では、全世代の生命保険の加入率は79.8%(男性77.6%、女性81.5%)です。男女ともに約8割の人が生命保険に入っています。

しかし年代別の統計を見ると、20代の生命保険加入率は全世代と比べて低く、男性は46.4%、女性は57.1%となっています。ほかの世代と比較しても、20代は全世代の中で最も 加入率が低い年代です。とはいえ、20代の方のうち半数程度は生命保険に加入していることが分かります。

出典:(公財)生命保険文化センター「令和4年度生活保障に関する調査」より

 

1-2.20代の平均的な保険料

次に20代が加入している生命保険の保険料について解説します。生命保険文化センターの「令和4年度生活保障に関する調査」によると、全世代の平均的な年間払込保険料は17.9万円(男性20.6万円、女性16.0万円)です。

一方で、世代別の年間払込保険料では、20代男性は11.9万円、女性は9.6万円となり、20代の平均払込保険料は男女ともに全体の平均額を下回ります。40代や50代の平均額と比べると10万円前後の違いがあり、加入率と同様に平均保険料も各世代の中では低めと言えるでしょう。

出典:(公財)生命保険文化センター「令和4年度生活保障に関する調査」より

 

1-3.20代が生命保険に加入するきっかけ

20代で生命保険に加入した人は、どのような理由で申し込んだのでしょうか。

生命保険文化センター「令和4年度生活保障に関する調査」では、保険加入のきっかけを調査しています。20代の調査結果は「家族や友人にすすめられて」の割合が最も高く、男性は42.2%、女性は39.8%です。ついで、男性の39.4%、女性の26%が「就職をしたので」を選び、社会人になったことをきっかけに加入した人の割合も高いと分かります。

ほかにも20代男性の10.1%が「勤め先や労働組合など職場ですすめられて」、女性の13.0%が「こどもが誕生したので」をあげています。

直近加入契約の加入のきっかけ(20代) 複数回答可

男性 女性
家族や友人などにすすめられて 42.2% 39.8%
営業職員や窓口ですすめられて 7.3% 2.4%
結婚をしたので 7.3% 9.8%
元々生命保険に加入する必要性を感じていたので 2.8% 5.7%
就職をしたので 39.4% 26.0%
勤め先や労働組合など職場ですすめられて 10.1% 6.5%
子どもが誕生したので 3.7% 13.0%
加入していた生命保険が満期になった、あるいは解約したので 1.8% 0.8%
近親者や友人などの病気やケガ、死亡などに接したので 5.5% 1.6%
経済的にゆとりができたので 3.7% 2.4%
テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどの広告や記事を見て 0.9% 1.6%
ダイレクトメールやチラシを見て 1.8% 0.0%
その他 3.7% 7.3%
わからない 6.4% 5.7%

出典:(公財)生命保険文化センター「令和4年度生活保障に関する調査」より

男女ともに20代は、すすめられた、もしくは社会人になったことや環境の変化が生命保険加入のきっかけになっていると分かります。

 

2.20代の方が生命保険に加入するメリット・デメリット

20代の半数程度は生命保険に加入している調査データがあるように、20代で生命保険に申し込むことは珍しくありません。

20代での保険申込にはメリットとデメリットがあります。ここでは、生命保険選びの際に把握しておくべき4つのメリットと生じうるデメリットを紹介します。

 

2-1.【メリット1】保険料負担が小さい

生命保険は年齢が若いほうが保険料が低く設定されるため、20代は保険料負担が比較的小さくなります。

生命保険は相互扶助の精神によって成り立っていて、複数人で保険料を負担し合い、必要となった人が保険金や給付金を受け取れる仕組みです。年齢が若い人は死亡リスクが低い、つまり保険金を受け取る可能性が低いため、保険料負担を減らすことで公平性を保っています。

出典:一般社団法人 生命保険協会「STEP.3生命保険の仕組み」

出典:一般社団法人 生命保険協会「まずは生命保険の仕組みを理解しよう」

保険料が比較的低い20代のうちに生命保険に入ると、30代、40代で申し込むよりも将来的な負担を減らせる可能性があります。ただし、20代は収入そのものの水準も低い傾向にあるため、保険料が生活をひっ迫しないよう注意が必要です。

 

2-2.【メリット2】健康リスクが低く、保険の選択肢が広いことが多い

20代で健康上の問題が少ないと、保険の選択肢が広がります。

保険に申し込む際は、「告知義務」として健康状態を生命保険会社に申告しなければなりません。現在治療中であったり、過去に傷病歴があったりすると保険金を受け取る可能性が 高いため、公平性の観点から加入を断られるケースがあります。条件付きで申し込める、または傷病歴があっても加入可能な保険商品もあるとはいえ、健康リスクが高いと選べる保険の種類は狭まるでしょう。

出典:(公財)生命保険文化センター「生命保険に関するQ&A」より

他の年代に比べて入院のリスクが低く、健康状態を理由に申し込みを断られる可能性が低い20代は、保険に入りやすい年代と言えます。

 

2-3.【メリット3】資産形成につながる

保険料が掛け捨てにならない貯蓄タイプの保険を選ぶことで、資産形成という役割も果たします。貯蓄タイプの保険は満期時に満期保険金を、または解約した場合には解約返戻金を受け取れます。

万が一に備えながら資産形成も行えるため、20代のうちから結婚、子育て、老後など将来に向けた資金の準備を始められるでしょう。

 

2-4.【メリット4】税法上の優遇がある

保険に加入していると、払込保険料に応じて所得より一定金額が控除される生命保険控除を受けられます。課税所得が低くなるため、所得税や住民税の負担を減らせるでしょう。

生命保険控除は2012年1月1日以降に契約、更新、特約付帯した生命保険に適用される「新制度」と2012年12月31日以前の契約に適用される「旧制度」があります。新制度は、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料が対象となり、以下の通りに控除されます。

■新制度の生命保険料控除額の計算方法

所得税 住民税
年間払込保険料 控除額 年間払込保険料 控除額
20,000円以下 払込保険料全額 12,000円以下 払込保険料全額
20,000円~40,000円 (払込保険料×1/2)+10,000円 12,000円~32,000円 (払込保険料×1/2)+6,000円
40,000円~80,000円 (払込保険料×1/4)+20,000円 32,000円~56,000円 (払込保険料×1/4)+14,000円
80,000円~ 一律40,000円 56,000円超 一律28,000円

新制度では、各控除の適用限度額は所得税が4万円、住民税は2.8万円です。

一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の3種を合計する場合は、所得税12万円、住民税7万円まで控除されます。

出典:(公財)生命保険文化センター「税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」」より

 

2-5.【デメリット】保険の見直しを行う必要がある

20代で保険に申し込むと、申し込んだ直後に保険を見直す必要性が出てくる可能性がある点に注意しましょう。

保険は、仕事や結婚、子どもの有無などライフステージによって必要な保障範囲が異なります。20代は転職や結婚などライフスタイルが変わりやすい年代と言えます。悩んで決めた保障内容であっても、加入後すぐに見直しが求められるかもしれません。ライフステージの変化に応じて、定期的な保険の見直しを心がけましょう。

 

3.【20代におすすめ】保険の種類

保険にはさまざまな種類があり、保障範囲や保険料も異なります。20代が保険を申し込む際は、現在の環境に合わせて必要性に合った保険を選ぶことが大切です。

ここでは、特に20代におすすめの保険と特徴を紹介します。

 

3-1.死亡保険

死亡保険とは、被保険者が亡くなった際、指定した保険金受取人に保険金が支払われる保険です。言語能力が失われる、両目の視力が失われるなど所定の高度障害状態になった場合に、高度障害保険金を受け取れるものもあります。保障が一生涯続く終身型死亡保険と、一定期間だけ保障する定期型死亡保険の2種類に分けられます。

死亡保険に入っていると、家族の生活費や子どもの養育費、自身の葬儀代を残すことが可能です。20代で預金が十分でない状態でも、もしものときにまとまった額を残せます。特に家族がいる場合は、20代であっても万が一に備えておくことは大切です。

 

3-2.養老保険

養老保険は、死亡保障を備えながら貯蓄も行える点が特徴です。申し込み時に保険期間(保障期間)を定め、保険期間中に被保険者が死亡または高度障害になった際は、死亡保険金が支払われます。何事もなく満期を迎えた場合は、死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れる仕組みです。将来必ず保険金を受け取れるため、毎月の保険料を貯蓄に充てるつもりで、万が一に備えられるでしょう。

ただし、養老保険は満期となっても保険金が受け取れる分、死亡保障のみの保険よりも保険料負担が大きい傾向にあります。20代のうちに申し込んでおくことで、年代を重ねてからの加入より保険料負担を小さくできるため、20代で申し込むメリットが大きな保険です。また、20代は保険期間設定の自由度が高く、住宅購入や教育資金などまとまった資金が必要な時期を満期に設定したり、死亡保障を手厚くしたい期間だけ加入したりもできます。

 

3-3.個人年金保険

個人年金保険は保険料を老後資金として蓄えられる保険で、積み立てたお金を一定の年齢から年金として受け取れます。年金受け取り開始の年齢に達する前に亡くなった場合は、それまでの払込保険料に相当する死亡給付金が支払われます。

また生命保険控除を受ける際は、以下の条件を満たし、「個人年金保険料税制適格特約」を付帯していると、一般生命保険料ではなく個人年金保険料の枠での控除が可能です。

(イ) 年金の受取人は、保険料もしくは掛金の払込みをする者、またはその配偶者となっている契約であること。

(ロ) 保険料等は、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって、定期に支払う契約であること。

(ハ) 年金の支払は、年金受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払うとされている10年以上の定期または終身の年金であること。

引用:国税庁ホームページ引用日2023/11/17

個人年金保険は払込期間が長いほど返戻率が高くなるのが一般的です。

20代で加入すると保険料負担の小さいうちから長期間積立ができ、計画的に老後のための資金作りを行えます。

 

3-4.医療保険

医療保険は、病気や怪我で入院・手術が必要になった際の医療費を保障します。入院すると受け取れる入院給付金や通院時の交通費をまかなえる通院保障、先進医療特約の付帯など、プランによってさまざまな保障があります。

健康リスクの低い20代であっても、いつ病気や怪我で医療費が必要になるか分かりません。働き始めたばかりで収入や貯蓄が十分でない場合、急な医療費の出費が生活費を圧迫する可能性があります。医療保険で備えておけば、病気や怪我に伴う金銭的な負担を軽減できるでしょう。

また、健康状態に問題がないことが多い20代は、入れる保険の幅が広がり、手厚い保障内容やニーズに合った保険料の保険を選びやすいというメリットもあります。病気・怪我による精神的・金銭的負担を少しでも軽減するために、手厚い保障を備えておくのもよいでしょう。

 

3-5.就業不能保険

就業不能保険とは、病気や怪我で働けなくなった際に、給付金を受け取れる保険です。医療をカバーする保険とは異なり、生活費の不足分を補う役割があります。

働けない状態が続いても就業不能給付金として給与のように一定額を受け取れるため、収入がなくなった際の経済的リスクに備えられます。働けなくなった場合に受け取れる公的保障と収入の差額分を目安に給付金の額を設定すると、収入減をカバーできる保険を選べるでしょう。

病気や怪我で働けなくなると、収入が減る上に治療費や通院費などの出費も増えます。十分な貯蓄がなくても、療養期間の生活費を確保できるという点では、20代にとっても有用な保険と言えます。

 

3-6.がん保険

医療保険の中には、がんの保障に特化したがん保険もあります。長期入院や通院の保障、がん診断の際の一時金、放射線・抗がん剤などのがん治療に対する保障が受けられます。

20代はほかの年代に比べてがん罹患率が低いとはいえ、日本人が一生のうちにがん診断を受ける確率は男性65.5%、女性51.2%です。若いうちは確率が低くても、2人に1人は生涯中にがんと診断されるという統計が出ています。がんになるとがん保険加入が難しくなるため、健康な20代のうちに備えておくのも1つの方法です。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」

 

3-7.変額保険

変額保険とは、支払った保険料を保険会社が株式や債券を中心に資産運用し、運用実績によって死亡保険金や満期保険金、解約返戻金の額が変化する保険です。ただし、死亡保険金に関しては一定額の受け取りが保障される最低保証金額が定められているため、基本保険金額を下回ることはありません。

有期型と終身型があり、運用次第では、受け取れる保険金や解約返戻金が増える可能性があります。その一方で、運用がうまくいかなければ受け取れる金額が払込保険料総額を下回るリスクも伴います。

20代から始めると長期的な資産運用を行えるため、将来に向けた資産形成をしつつ、死亡保障で万が一に備えることが可能です。

 

3-8.学資保険

学資保険は、子どもの教育資金を貯めるための保険です。毎月一定の保険料を支払い、子どもの成長に合わせた進学準備金や満期学資金を受け取れます。教育資金を貯めることに重点を置いた貯蓄タイプと、子ども・親の医療保険も備えた保障タイプがあります。

契約者に万が一のことがあり、保険料の支払いができなくなった場合、支払いが免除となる「払込免除特約」が付帯しているのが一般的です。満期には満額保障されるため、不測の事態が起きても、子どもに教育費を残せます。

20代は出産・子育てというライフイベントを迎えることもあるかもしれません。万が一の際に遺される家族のための保険も検討する必要があるでしょう。

 

4.20代の生命保険の選び方

同じ20代であっても、結婚や子どもの有無などライフステージによってどのように保険を選ぶかが異なります。ここでは、おすすめの生命保険の選び方を、独身の方、既婚の方、子どものいる方に分けて解説します。

 

4-1.独身の方

20代独身の場合、病気や怪我で働けなくなった際の経済的リスクに備える必要があります。医療保険や就業不能保険など治療費・生活費の保障が手厚い保険を中心に選べるでしょう。社会人になったばかりで十分な貯蓄がなくても、病気や怪我の治療費や治療中の生活費を保険でまかなえると安心です。また、個人年金保険をはじめとした老後に備えられる保険も検討するとよいでしょう。

加えて、男性は少額での死亡保険を備えておくと、将来家族を持ったときにも安心です。女性は、乳がんや子宮頸がんなど女性特有の疾病もカバーできる女性向けの保険や特約を付帯すると、万が一に備えられます。

 

4-2.既婚の方

既婚で子どもがいないケースでは、配偶者のことを考慮した保険選びが求められます。医療保険や就業不能保険に加え、死亡保険も手厚い保障内容を検討しましょう。保険の備えによって、自分自身に何かあっても、配偶者にお金を残したり治療費で苦労をかけないようにしたりできます。

男性の場合、共働きであれば死亡保険は葬儀代や亡くなった直後の出費をカバーできる程度で十分なケースもあります。しかし、妻が専業主婦の場合は、生活費を補える手厚い保障内容が必要です。

女性の場合、将来子どもを持つことを考えているなら、妊娠中のトラブルに対する医療保障のある保険に入っておくとよいでしょう。妊娠中は入れる保険が限られる可能性があります。

既婚者は、自身に万が一があった際に、相手の経済的・精神的負担を軽減できる保険を選ぶことが大切です。お互いの保険内容を相談し、足りない保障を補いましょう。

 

4-3.子どものいる方

結婚して子どもがいる場合は、保障内容をより充実させる必要があります。必要保障額をしっかりと見積もり、もしもの際は配偶者だけでなく、子どもの生活費や養育費を確保することが重要です。

子どものいる男性は、医療保険、就業不能保険、死亡保険を充実させることに加えて、学資保険のように子どもにかかる費用に特化した保険に入っていると、安心感が増します。

女性の場合は、働くスタイルによっても選ぶ保険が異なります。共働きで夫と同様に家計を支えているのであれば、働けなくなった際の収入減をカバーできる保険が必要です。家計を担う割合が高いなら、死亡保険も手厚くするほうが安心です。一方で、家計の大部分は夫の収入でやり繰りしている場合や、専業主婦の方の場合、死亡保険は少額保障に押さえてもよいでしょう。

 

まとめ

20代の方は他の世代と比べると生命保険の加入率が低い傾向にあるものの、20代のうちから保険に申し込んでおくと、保険料負担を小さくできたり、選べる保険の幅が広がったりなどさまざまなメリットがあります。

どのような保険を選ぶかはライフステージによっても異なりますが、独身の方は病気や怪我で働けなくなったときに備える医療保険や就業不能保険がおすすめです。対して既婚の方、子どものいる方は家族のことも考慮し、万一に備えて生活費を用意できる死亡保険など手厚い保障がある保険を選びましょう。

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