医療保険の手術給付金とは?保障される手術と受け取れる金額を解説

Column

保険の基礎知識
医療保険の手術給付金とは?保障される手術と受け取れる金額を解説

手術を受ける場合の金銭的負担を軽くする方法には、手術給付金が付いた医療保険への加入があります。加入している医療保険から入院給付金や手術給付金が支給されれば、金銭的な助けになるでしょう。ただし、手術給付金はすべての手術を保障しておらず、給付には一定の条件が存在します。また、給付条件や特約なども異なるため、加入前には各保険の内容を確認しておくのが重要です。

この記事では医療保険の手術給付金について、カバーできる手術の範囲や支払い対象外の手術例など、手術給付金を決めるときのポイントを解説します。

保険見直し本舗で保険相談の予約をする

 

1.医療保険の手術給付金とは?

手術給付金は、医療保険の加入者が受けられる基本的な給付金の1つであり、特定の病気やケガが理由で手術を受けた際に一時金が支給される制度です。手術給付金に加えて、入院日数に応じて支給される入院給付金や、退院後の通院日数に応じて支給される通院給付金など、さまざまな給付金が存在します。

手術給付金の受給条件は、保険会社の約款に規定されている特定の手術や、公的医療保険の対象となっている手術を受けた場合などさまざまです。すべての手術が保障されているわけではなく、保険会社によって支払い対象となる手術の範囲は異なります。

また、手術給付金の支払回数は保険会社や加入している保険商品によって変わる場合があります。医療保険に入っている場合は、手術給付金の保障内容を確認しておくことが重要です。

 

2.手術給付金で保障される手術

手術給付金の適用範囲は、加入中の医療保険に応じて大きく2つに分けられます。

1つ目が、約1,000種類の手術が対象の医療保険で、現在はこちらのタイプが主流です。対象となるのは、公的医療保険によって定められた、医科診療報酬点数表により手術料の算定がされる手術のほとんどです。抜歯や非観血的整復術などの一部を除き、公的医療保険でカバーされる多くの手術の負担をさらに軽くできます。また、担当している医師に、自分が受ける手術が公的医療保険制度の対象であるかどうかを尋ねれば、手術給付金が支給されることを確認できるのもメリットです。

2つ目は、各保険会社が定めた88種類の手術に対象を限定した医療保険です。1,000種類と比較すると、88種類は少なく感じられるかもしれませんが、これは対象となる手術を広範なカテゴリーに分類しているためです。88種類が対象の医療保険でも、手術給付金の対象になる手術は約600種類ほど存在し、一般的な手術は網羅されています。

 

2-1.手術給付金が受け取れない手術は?

下記にあてはまる場合、手術給付金を受け取ることができないため、注意が必要です。

  • 保障開始前からの病気やケガによる手術
  • 医療保険加入前に発病した病気やケガ、加入前の事故が原因の手術は、手術給付金の対象にはなりません。病院で手術を推奨された後に、手術給付金を受ける目的で医療保険に加入したとしても、支給の対象とはならないため、注意が必要です。

  • 治療目的ではない手術
  • 美容整形や人間ドック、病気が直接的な原因ではない不妊手術は、治療が直接的な目的ではないため、手術給付金の支給要件には該当しません。視力を回復する目的で行われる「レーシック手術」も給付対象外であるケースが多い傾向にあります。しかし、契約 時期や保険会社によっては、給付対象となる場合もあるので、確認が必要です。

  • 約款に記載されていない手術
  • 手術給付金の支給対象は、治療を直接的な目的とし、約款に記載の手術を行った場合のみです。手術給付金の支給条件は、保険会社や保険のプラン、契約時期によって異なる可能性があるため、手術を受ける前に約款を確認しておくことが必要です。

 

3.医療保険の手術給付金を決めるときのポイント

医療保険の加入を考えるときは、手術給付金のタイプや給付金額を決めることが必要です。加入前にどのようなポイントを検討すべきかを踏まえて、医療保険の選び方を紹介します。

 

3-1.手術給付金がいくら受け取れるか確認する

手術給付金の受け取り額は、加入している医療保険が一律式か倍率式かで異なります。

一律式とは、1回の手術で○万円、もしくは入院給付金の○倍のように、固定金額もしくは固定の倍率で決まっているタイプです。一律式の場合、「入院を伴う手術の場合は20倍、日帰り手術の場合は5倍」といったように、手術給付金の額が入院の有無に応じて変動する保険商品もあります。

また、多くの保険会社では、入院手術と日帰り手術に対して異なる金額や倍率を設定しています。よって、日帰り手術の場合に手術給付金を請求できるかどうかを含めた契約内容の確認が必要です。

倍率式とは、手術の種類や重さによって手術給付金の倍率が変動するタイプです。大きな手術になればなるほど倍率も高くなるため、高額な手術に対応しやすいというメリットがあります。

医療保険への加入を検討している場合は、手術給付金の給付形態がどのようになっているか、事前チェックが重要です。

 

3-2.給付の条件を確認する

手術給付金は、手術内容が医療保険の保障対象に含まれているものであれば複数回受け取れます。ただし、保険会社ごとに給付条件が定められており、複数回の給付を受けられないケースも存在します。給付条件の例は、以下の通りです。

  • 60日に1回を給付限度とする
  • 1度に複数の手術を受けた場合は、倍率の高い手術1回分のみを給付する
  • 医科診療報酬点数表において、手術料が1日につき算定される手術は手術を受けた1日目のみ給付する  など

手術給付金の給付条件は、保険会社や加入している保険商品によって異なるため、加入を検討する際は必ず給付条件を確認しましょう。

 

3-3.特約を確認する

医療保険加入時には、もしものときに備え、手術給付金に追加で特約を付けられます。

代表的な特約を3つ解説します。

女性疾病特約

医療保険には、女性専用の「女性疾病特約」という特約があります。女性疾病特約は、女性特有の病気による入院や手術に対し、他の病気やケガの場合よりも保障が上乗せされるという内容です。

女性疾病の代表例として、乳がん・子宮頸がん・子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣がん・卵巣嚢腫・線維腺腫などが挙げられます。女性疾病特約で保障を受けられる範囲は、保険会社や加入している保険商品によって異なるため、どの疾病が対象なのかを事前に確認しておく必要があります。

がん手術特約

がん手術特約とは、がんの治療目的で手術を行った場合に手術給付金が支払われる特約です。

がん入院特約と組み合わせたがん特約として付帯されている場合が多く、入院日額に倍率をかけた金額が給付されるのが一般的です。また、がん特約には、がんと診断されると一時金を受け取れる「がん診断給付金」が含まれるケースもあります。

先進医療特約

先進医療とは、高度な医療技術を用いた治療のうち、保険給付対象として適切かどうかが未だ評価中で、公的な医療保険の対象になっていないものです。通常、先進医療を受ける場合は、かかる費用は全額自己負担でまかなう必要があります。

先進医療特約とは、先進医療を受けた際に発生した技術料に相当する金額を保障するという内容の特約です。先進医療特約は、お金を理由に治療を諦めないようにするための保障であると言えます。

 

まとめ

手術給付金は、手術を受けた際に一時金が支給される制度です。すべての手術が対象になるわけではなく、公的医療保険で定められた約1,000種類の手術が対象となるものと、各保険会社が定めた88種類の手術に対象を限定したものがあります。

また、手術給付金が支給されるのは約款に記載されている手術のうち、保障開始後に発症した病気やケガを理由とした、治療目的のものに限られます。

手術給付金を決める際には、手術給付金の給付形態や、給付条件のほか、女性疾病特約・がん手術特約・先進医療特約などの特約選びも重要です。

保険の比較・見直し・申し込みを保険見直し本舗に無料相談する
保険見直し本舗の店舗を探す