ペットの医療費は全額自己負担
私たち人間と同じように、動物にも病気やケガのリスクがあります。特に「皮膚炎」や「膀胱炎」、「胃腸炎」などは、多くの犬や猫が経験する病気やケガの1つと言えるでしょう。また、ペットの「誤飲」、「骨折」、「脱臼」などの事故も珍しくなく、公的健康保険制度のないペットの診療費は高額になりがちです。
大切な家族の病気やケガに備えるペット保険の必要性について詳しく見ていきましょう。
ペット保険の必要性
ペットにかかる年間医療費は、犬でおよそ30,000~60,000円程度、猫で10,000~30,000円程度と回答した飼育者が約3割にのぼるなど、負担は決して小さいものではありません(*1)。診療費の実例を挙げれば、犬の「椎間板ヘルニア」ではMRI検査と手術と5泊6日の入院で約330,000円、猫の「尿石症」だと膀胱から結石を取り出す手術と2泊3日の入院をして約120,000円かかるケースもあります(*2)。
犬:ケース例
階段を下りたときキャンと鳴き、触られるのを嫌がるようになりました。病院で検査をしたところ「椎間板ヘルニア」と診断され、手術を行いました。
| 項目 | 内容 |
| 品種 | ミニチュア・ダックスフンド |
| 年齢 | 3歳 |
| 内容 | 手術1回、入院6日 |
| 診察 | 1,500円 |
| 入院(5泊6日) | 20,400円 |
| 検査 | 39,700円 |
| MRI | 89,000円 |
| 全身麻酔 | 15,000円 |
| 手術 | 127,300円 |
| 点滴 | 12,200円 |
| 処置 | 7,100円 |
| 注射 | 23,000円 |
| お薬 | 2,450円 |
| 合計 | 337,650円 |
猫:ケース例
血尿が出たため、気になって病院に連れて行きました。検査の結果、膀胱に結石が見つかり、お腹を切って結石を取り出す手術を行いました。
| 項目 | 内容 |
| 品種 | アメリカン・ショートヘア |
| 年齢 | 4歳 |
| 内容 | 手術1回、入院3日 |
| 診察 | 800円 |
| 入院(2泊3日) | 9,000円 |
| 検査 | 25,000円 |
| 全身麻酔 | 17,500円 |
| 手術 | 45,000円 |
| 結石分析 | 4,500円 |
| 点滴 | 12,600円 |
| 処置 | 6,000円 |
| 注射 | 5,400円 |
| お薬 | 2,000円 |
| 合計 | 127,800円 |
もっと大きな病気やケガをすれば、さらに費用はかさむでしょう。そこで役に立つのがペット保険なのです。
「ペット保険」の考え方
ペット保険の加入を検討する際、考慮すべきは、「保険会社によって補償内容が異なる」ということです。一般的には通院・入院・手術の3つが補償対象となっていますが、免責事項を設定している保険会社もあります。犬種や猫種によってはリスクの高い病気やケガがあることも念頭において、まずは保険会社別に補償内容を確認・比較することが大切です。
費用面から考えるペット保険のメリット
例えばアイペット損保の例で見ると、ペット保険に加入後、1年以内に請求を行うケースはおよそ60%(*1)となっています。その数値の高さから、ペット保険の有用性は高いと言えるでしょう。
「貯蓄」か「保険」か
一方で、ペット保険には返戻金や蓄えの要素がなく、税制の控除もありません。いわゆる掛け捨てで、病気やケガがなければ無駄になってしまうとの見方もあります。保険に加入せずに「自分で積み立てて貯蓄する」という考え方もありますが、早期に大きな病気やケガをしてしまう、長期の通院が必要になるなど、診療費がかさむ可能性も考えておくのがよいでしょう。
病気やケガは時期を予測できないものです。ある程度の貯蓄があれば、多少の診療費には対応することができるでしょう。しかし、治療の内容によってはその範囲を超えるかもしれません。貯蓄は額が少ないうちは不安が残りますが、ペット保険なら加入初期から幅広い補償を受けられます。
いつ、どんな診療費が必要になるかわからないことも踏まえると、後者の方が安心できるのではないでしょうか。万が一に備えられるのが、ペット保険の大きなメリットです。