医療保険の選び方、「掛け捨て」と「積み立て」、それぞれのメリット・デメリットは?

Column

保険の基礎知識
医療保険の選び方、「掛け捨て」と「積み立て」、それぞれのメリット・デメリットは?

医療保険は、大きく分けて「掛け捨て型」「積み立て型」の2タイプです。どちらも一長一短であり、端的に「こっちのほうが良い!」と断言することはできません。

そもそも保険の良し悪しには絶対的な尺度などなく、結局のところ「その人に合っているかどうか?」という基準しかないとも言えます。そうだとすれば、ある保険を選ぶときに大切なのは、各保険の特性を把握したうえで、それが自分のニーズに合っているかどうか確かめてみることです。

そこで、ここでは医療保険の「掛け捨て型」「積み立て型」の特性として、分かりやすく各々のメリット・デメリットをお伝えしていきます。そして、最後にはそれらのメリット・デメリットを考えたうえで、掛け捨て型が合っている人と、積み立て型が合っている人の特徴についても触れています。

「掛け捨てと積み立て、どっちの医療保険が良いんだろう……」と悩まれている方のご参考になれば幸いです。

保険見直し本舗で保険相談の予約をする

1.掛け捨て型の医療保険とは?

掛け捨て型の医療保険は、満期や更新、中途解約時などにお金が戻ってこないタイプの保険です。払った保険料=掛け金が、戻ってこない=捨てている、という意味で「掛け捨て」と呼ばれています。

この章では、まずは掛け捨て型の医療保険に対する「よくある誤解」を解くところから初めて、そのうえでメリットとデメリットについて見ていきましょう。

1-1 掛け捨て型に対するよくある誤解!

「掛け捨て」という言葉を聞くと、何となく「お金を無駄にしている」という悪いイメージが浮かんできます。

しかし、掛け捨て型の医療保険は、なにも本当にお金を捨てているわけではありません。医療保険に加入した方は、病気やケガによる“いざというとき”に保障を受け取れるからこそ、毎月の保険料を支払っているのです。

そもそも「保険契約」とは、毎月の保険料を支払うことと引き換えに、特定の条件(病気やケガによる入院手術など)に該当した場合に保険金を受け取れる、という契約だと言えます。その意味で、掛け捨て型と積み立て型の違いは、保険金が受け取れる条件が異なるだけなのです。

「掛け捨て」「積み立て」といった言葉の表層的なイメージに過剰に引きずられず、冷静にどちらの保険の特長も把握したうえで、自分自身に合っているタイプをチョイスするのが望ましいと言えるでしょう。

1-2 掛け捨て型のメリットは?

では、掛け捨て型の医療保険は、どのようなメリットとデメリットを持っているのでしょうか。まずはメリットから見ていきましょう。

●毎月の保険料の負担が軽い
掛け捨て型の医療保険は、積み立て型にくらべて保険料が安いことが大きなメリットの1つです。

積み立て型では、積み立て分=将来的に契約者へ払い戻すお金を保険料に上乗せしているので、その分、保険料が高くなります。対して、掛け捨て型の保険料は、積み立て分としての上乗せがないので、安く抑えることができるのです。

「できるだけ安い保険料で医療保険を用意したい」といったように、保険料を重視するスタンスで医療保険を検討している方には、掛け捨て型は適しているとも言えるでしょう。

●保険の見直しがしやすい
掛け捨て型の医療保険は、加入後により条件の良い医療保険が見つかったときに見直しやすいところもメリットです。

積み立て型の場合、より条件の良い保険に乗り換えるために中途解約をすると、支払った保険料よりも少ない解約返戻金しか受け取れず、結果として「損」になってしまうことも少なくありません。積み立て型は、満期や更新など一定の決められた期間まで継続しないと支払った保険料と同等、もしくはそれ以上の保険金を受け取ることはできないタイプも多いのです。

その一方で、掛け捨て型は、たとえ途中で解約したとしても「満期保険金、解約返戻金、健康還付金が少なくなる」といったデメリットがそもそもありません。それゆえに、自分にとってより好ましい条件の医療保険が出てきたら、迷うことなく見直しに踏み切る決断ができます。

もしも、医療保険を選ぶ際に、将来的に見直しを前提としている方、あるいは健康状態がすぐれない間の「つなぎ」の保険を検討している方には、掛け捨て型の医療保険が合っていると言えそうです。

●商品数が多く、保障のバリエーションが豊富
掛け捨て型の医療保険のもう1つのメリットは、商品数が多く、保障のバリエーションが多彩であることです。

積み立て型は比較的に最近登場してきたタイプだと言えますが、それに対して掛け捨ての医療保険は昔ながら(?)のオーソドックスなものです。それゆえに、掛け捨ての医療保険はほとんどの生命保険会社が取り扱っており、各社から多種多様な商品が発売されています。どの商品も特色のある保障を備えており、その中から自分の条件に適したものを選ぶことができます。

数多くの商品を比較・検討しながら、じっくり自分自身に合った保障内容を吟味したい。そのようなニーズをお持ちの方には、掛け捨て型の医療保険がオススメです。

1-3 掛け捨て型のデメリットは?

では、掛け捨て型の医療保険のデメリットはどのようなものでしょうか。

●病気やケガをしなかったら保険料が「ムダ」になる
掛け捨て型の医療保険である以上は仕方がないのですが、満期や更新、あるいは解約などをしたときに保険金を受け取ることができません。言い方をかえると、医療保険で保険金を受け取れるのは、病気やケガをして所定の状態に該当したときのみです。

上記のように掛け捨ての特長をデメリットに感じる方は、掛け捨て型の医療保険は避けた方がいいでしょう。

2.積み立て型の医療保険とは?

積み立て型の医療保険は、満期や更新、中途解約時にお金が戻ってくるタイプの保険です。「戻ってくるお金」とひとことで言っても、「満期保険金」「解約返戻金」「健康還付金」など様々で、医療保険の種類に応じて変わってきます。

ここでも前章と同じように、最初に「積み立て型の医療保険へのよくある誤解」を解くところからはじめたいと思います。それを通して、積み立て型の医療保険の特性のおおよそのイメージをお伝えしたうえで、そのメリットとデメリットについても明らかにしていきます。

2-1 積み立て型に対するよくある誤解!

「積み立て型」という言葉から、「将来的に支払った保険料よりも多くの保険金を受け取ることができるのかな……」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、基本的に積み立て型といっても、所定の年齢に達したときに満期保険金や健康還付金といった形で支払った保険料と同額程度の保険金を受け取れる、もしくは加入後に一定期間ごとに健康ボーナスを受け取れるといったタイプが多いようです。つまり、変額や外貨建てといった特殊なケースを除いて、支払った保険料を受け取る保険金が上回るというケースはほとんどあり得ない、と言えるでしょう。

その意味では、「積み立て型」と呼ばれてはいるものの、大きな利幅を見込んだ資産運用などには必ずしも適していない点は押さえておいたほうが良いかもしれません。

2-2 積み立て型のメリット

続いて積み立て型の医療保険には、どのようなメリットが備わっているのかを見ていきましょう。

●病気やケガをしなくても保険料がムダになりにくい
積み立て型の医療保険の大きなメリットは、病気やケガをしなくても保険料がすべてムダにはならないことでしょう。

掛け捨て型は、病気やケガにより入院・手術をしなければ、保険金を受け取ることはできません。やや強い言い方をすれば、掛け捨て型に加入中に病気やケガを一切しなかった場合、毎月支払う保険料は戻ってこない、ということになります。

このような「医療保険なんて病気やケガをしないと意味がないよね」ととなりにくいのが積み立て型の医療保険だと言えます。積み立て型の場合、もしも病気やケガせずに健康に過ごしたとしても、健康還付金や満期保険金、解約返戻金といった形で支払った保険料が丸々「ムダ」になることはありません。

この「病気やケガをしてもしなくても何かしらの形で保険金を受け取ることができる」という点は、積み立て型の医療保険の大きなメリットです。

●場合によっては「貯蓄」として活用できる
積み立て型の医療保険のメリットの1つは、使い方によっては一種の「貯蓄」としても活用できる点です。

積み立ての医療保険については、変額や外貨建ての保険でないかぎり、いつ・どのくらい保険金が戻ってくるかの目安は知ることができます。そして、その戻ってくる保険金を一種の貯蓄だと考える見方も可能です。

とはいえ、積み立て型の医療保険は金利などがつかないことも多いので、その商品特性として本当に貯蓄の方法として相応しいのかどうか、自分の目的や状況と照らし合わせて吟味すべきでしょう。

2-3 積み立て型のデメリット

最後に、積み立て型の医療保険のデメリットを挙げてみましょう。

●毎月の保険料の負担が大きい
上記では、積み立て型の医療保険は何かしらの形で保険金を受け取れるので、支払った保険料がムダになりにくいということをお伝えしてきました。たしかに医療保険で病気やケガをしたとき以外にも保険金を受け取れたら、少しトクした気分になるかもしれません。

しかし、注意したいのは、健康還付金や満期保険金、解約返戻金は保険会社からの「ボーナス」ではないということです。ザックリと言えば、入院や手術を保障する掛け捨ての部分の保険料に、この健康還付金、満期保険金、解約返戻金の部分の保険料が上乗せされている、というイメージが近いでしょう。

つまり、自分が支払った保険料が、時を経てそのまま自分に戻ってくる、と言いかえても良いかもしれません。その上乗せの分、掛け捨て型よりも毎月の保険料の負担は大きくなってしまいます。

いちど医療保険に加入したら、基本的にすぐに解約するということはありません。ある程度は中長期的に続けていくものですから、そのあいだ毎月の保険料の負担が大きいのは、デメリットの1つだと言えるでしょう。

●中途解約すると「損」になってしまうことも
積み立て型の医療保険といっても、いかなる条件でも支払った保険料が丸々戻ってくるというわけではありません。

基本的には「一定の期間まで保険を継続する」「所定の年齢まで健康に過ごす」といった条件を満たして、初めて満期保険金や健康還付金を受け取ることができるのです。なので、その条件をクリアできなかったときには、「結局支払った保険料よりも受け取る保険金のほうが少なかった……」ということもあり得ます。

その代表的な例として挙げられるのは、中途解約をしたケースでしょう。積み立て型では保険期間をまっとうせずに中途解約した場合、解約返戻金が受け取れることが一般的です。

「解約しても保険金を受け取れるんだ!」と思ったかもしれませんが、注意したいのは、基本的に解約返戻金は払い込んだ保険料の総額を下回るということです。この点は、積み立て型の医療保険を検討するうえで、しっかりと押さえておきたいデメリットだと言えます。

●商品数が少ない
医療保険は「掛け捨て」と「積み立て型=貯蓄型」に大きく分けられますが、圧倒的に多数を占めているのは掛け捨て医療保険です。医療保険といえば、ほとんどが掛け捨てタイプだと言ってもいいくらいかもしれません。

対して、積み立て型の医療保険は少数派で、商品数と保障内容のバリエーションは多いとは言いがたいのが現状です。医療保険を選ぶうえで、自分に合った病気やケガのときの保障を最重視し、さまざまな保障内容を比較・検討して決めたいという方にとって、積み立て型=貯蓄型に限定するのはあまり得策とは言えないかもしれません。

⇒医療保険はこう選べ!商品を比較する前に知っておきたい3つのこと

まとめ:「結局どちらを選べばいいのか?」にお答えします!

ここでは掛け捨て医療保険と、積み立て医療保険のメリット・デメリットをご紹介してきました。最後に、それらを踏まえたうえで、「掛け捨て医療保険に向いている人」と「積み立て医療保険に向いている人」をまとめました。ぜひ医療保険を選ぶうえでの参考にしてください。

●掛け捨て型の医療保険が向いている人
・できるだけ毎月の保険料の負担を軽くしたい人
・医療事情に変化に合わせて柔軟に保険の見直しをしたい人
・病気やケガに対する保障内容を最重要視している人

●積み立て型の医療保険が向いている人
保険料が掛け捨てになるのがイヤな人
・自分の健康状態に問題がない人
・医療保障を用意しながら、積み立てもしたい方

また、ここでは各保険のおおよそのメリットとデメリットはお伝えしましたが、実際に保険を選ぶときには、年齢、職業、家族構成、ライフプラン、すでに加入している保険といった要素も深く関わってきます。

「え、保険選びってそんなに複雑なの……?自分で医療保険を選ぶのは大変そうだな……」

そう思われた方は、いちど保険のプロに相談してみてはいかがでしょうか。保険のプロであれば、あなたの希望や生活状況を踏まえたうえで、保険について役立つアドバイスをしてくれるはずです。

保険見直し本舗でも、知識も経験も豊富なプロによる「無料保険相談サービス」をおこなっております。もちろん相談は何度でも無料、断っているのにしつこく勧誘されたりすることも一切ありません。あなたの保険のお悩みをご相談ください。お待ちしております。

⇒無料保険相談を上手に活用するための厳選ポイントはこちら

保険の比較・見直し・申し込みを保険見直し本舗に無料相談する
保険見直し本舗の店舗を探す