ドライバー保険とは?他人の車を運転する機会が多い人向けの自動車保険

Column

保険の基礎知識
ドライバー保険とは?他人の車を運転する機会が多い人向けの自動車保険

「運転免許は取得しているんだけれど、まだマイカーは持っていない。でも、ときどき友人から車を借りて運転している」

このような方の場合、もし借りている車で事故を起こしたらどうなるのでしょうか。友人が運転者を限定している保険に加入していた場合は、車を借りている人は補償の対象外となってしまいます。そういったときに活用したいのがドライバー保険です。

ドライバー保険は、マイカーを保有していない方が他人の車を運転した際の事故を補償する保険です。通常の自動車保険とは異なり、「人」に紐づく契約ですので、補償内容や契約にもさまざまな違いがあります。

本記事では、ドライバー保険の概要や補償内容、契約の際の注意点を分かりやすく解説します。

保険見直し本舗で保険相談の予約をする

1.ドライバー保険とは?

自動車保険は所有している車ありきの保険ですが、今回解説するドライバー保険は、人に紐づけて契約する保険です。そのため、マイカーを保有していないけれど他人の車を運転する頻度が高い方向けの自動車保険といえます。

以下に該当する方は、ドライバー保険への加入を検討するとよいでしょう。

  • ●借りている車の任意保険が、家族や年齢など「運転者限定契約」になっており、自分は補償対象外になっている
  • ●他人の車を運転することが多い

ドライバー保険の契約期間は、通常の自動車保険(任意保険)と同様に1年ですので、日常的に他人の車を運転する方におすすめです。

1-1 事故相手への手厚い補償が中心

ドライバー保険の補償内容は以下のとおりです。

種別 補償内容
対人賠償責任保険 自動車事故で他人を傷つけたときの賠償責任に備える
対物賠償責任保険 自動車事故で他人の物を壊したときの賠償責任に備える
搭乗者傷害保険 自動車搭乗中の事故で運転手や同乗者がケガをしたときに備える
人身傷害保険* 自動車搭乗中の事故で運転手や同乗者がケガをしたとき、
歩行中や自転車走行中の自動車事故でケガをしたときに備える
(同居家族・未婚の子を含む)
*保険会社による

事故相手へのしっかりとした賠償と、運転者および同乗者への最低限の補償が基本プランになっています。前述のとおり、ドライバー保険は人に紐づけた保険のため、通常は車両保険を契約することができません

保険会社によっては搭乗者傷害保険ではなく、人身傷害保険が基本的な補償内容としてセットされていることもあります。人身傷害保険が付保されていれば、運転者や同乗者のケガの治療費や慰謝料、休業補償なども支払われますので、十分な補償内容だといえます。

また、いくつかの特約を付帯することも可能です。代表的な特約は以下になります。

●対物超過修理費用特約
対物賠償責任保険では、事故相手の車の修理費用は、最大でも時価額までしか支払われません。対物超過修理費用特約を付帯しておくと、事故相手の車の修理費用が時価額を超えてしまっても、過失割合に乗じた修理費費用が支払われます。

対物超過修理費用特約の仕組み

なお、超過修理費用の補償額は「50万円」などというように、基本的に限度額が決まっています。

●個人賠償特約
個人賠償特約は、車での事故だけでなく、「他人の物を壊してしまった」「他人にケガをさせてしまった」といった、日常生活でのトラブルにも役立ちます。補償対象となるトラブルの例をいくつかご紹介します。

  • <個人賠償特約の補償対象例>
  • ・自転車で歩行者と衝突してケガを負わせた
  • ・水道トラブルで近隣の住宅に水漏れ被害を与えた
  • ・ペットの犬が他人に噛みつきケガを負わせた
  • ・お店にディスプレイ中の商品を壊した
  • ・子どもがお友だちと喧嘩をしてケガを負わせた など

近年、自転車保険への加入を義務化する自治体も増えていますが、わざわざ自転車保険に入らなくても、他の保険に個人賠償特約を付帯していれば、自転車事故によって他人を傷つけたときの賠償金が個人賠償特約から支払われます。

もし他の保険に個人賠償特約を付帯していなければ、加入をしておくと安心です。

1-2 補償の対象となるのは自家用車

ドライバー保険で補償の対象になるのは、以下の車種です。

  • <対象車種>
  • ・自家用普通乗用車
  • ・自家用小型乗用車
  • ・自家用軽四輪乗用車
  • ・自家用小型貨物車
  • ・自家用軽四輪貨物車
  • ・自家用普通貨物車(最大積載量2トン以下)
  • ・特種用途自動車(キャンピング車)
  • ・二輪自動車
  • ・原動機付自転車

自動車保険では、原動機付自転車(排気量125cc以下の二輪車)は「ファミリーバイク特約」を付帯しないと補償が受けられません。一方で、ドライバー保険では原動付自転車も補償の対象となっているため、他人のバイクを運転することがある方にとっては助かる保険といえます。

注意すべきは「営業車」は補償の対象にならない点です。分かりやすくいえば、ナンバープレートが緑色の車はドライバー保険の補償対象外です。車を借りる際、補償の対象は自家用車に限られるので注意が必要です。

1-3 契約できるのはマイカーを持っていない人

ドライバー保険の契約ができるのは「免許を保有しているが、車を所有していない方」です。

損額保険料率算出機構の調査によると、自家用乗用車を所有している方の約8割は自動車保険に加入しており(*1)、ほとんどの保険会社が「他車運転特約」を自動付帯しています。他車運転特約とは、自分とその同居家族以外の車を運転していたときの事故を補償する保険です。

同居家族が加入している自動車保険があり、自分が補償対象になっていれば、他車運転特約によって他人の車を運転している際の事故が補償されます。家族が加入している保険の「運転者限定特約」と「運転者年齢条件特約」の条件に自分が該当するか、見てみるとよいでしょう。

ドライバー保険を契約する前に、まずは家族が所有している自動車保険の内容や、借りようとする車に自分が補償対象になる自動車保険が備わっているかどうかを確認しておきましょう。

1-4 補償の対象にならないケース

ドライバー保険の見落としがちな点が、車の所有者により補償対象にならないケースです。主に以下のケースではドライバー保険の補償対象外になり、万が一事故が起きても保険金は支払われません。

  • <補償対象外のケース>
  • ・本人や配偶者、同居家族が所有している車を運転していた
  • ・本人が役員となっている法人所有の車を運転していた
  • ・勤務先の社用車を会社の業務のために運転していた

特に注意しなければならないのが、「同居家族の車」と「会社の車」を運転していた場合に補償対象外となる点です。同居家族とは、親だけでなく兄弟姉妹、祖父母なども含まれます。また、会社員が社用車を業務中に運転するケースも補償対象外です。

配偶者以外の同居の家族の車については、「1日自動車保険」では補償対象になりますので、これらの車を運転するときは1日自動車保険への加入を検討しましょう。

⇒1日自動車保険とは?スマホやコンビニでも手軽に加入できる!

2.ドライバー保険の保険料体系は?

ドライバー保険の保険料は、契約者の年齢とノンフリート等級で決定されます。

2-1 契約者の年齢による区分

まずは、契約者の年齢についてです。ドライバー保険での契約者の年齢区分は、「21歳未満」か「21歳以上」で分けられます。同じプランに加入したとしても、どちらに該当するかで保険料は年額で2~3万円程度の差があります。

2-2 ノンフリート等級による割引・割増

つぎに、自動車保険でも導入されているノンフリート等級ですが、通常は1等級から20等級に細分化された保険料の割引・割増制度です。事故を起こして保険を使った場合、翌年の等級が下がって保険料が割増になります。反対に無事故を続けると1年ごとに等級が上がり、割引率が大きくなっていきます。

なお、ドライバー保険から通常の自動車保険、または自動車保険からドライバー保険への等級の引継はできません。そのため、例えばマイカーを手放し、ドライバー保険に加入する場合は、6等級スタートとなります。

ノンフリート等級について、詳しくはこちらの記事でご確認ください。

⇒自動車保険のノンフリート等級制度とは?

3.ドライバー保険に向かないカーライフは?

ここまでは、ドライバー保険の概要や保険料の体系をご説明しました。最後に、ドライバー保険が不要な場合や、向かないケースをご紹介します。

3-1 レンタカーやカーシェアを利用するときはどうする?

レンタカーやカーシェアリングを頻繁に利用するため、ドライバー保険へ加入したほうがいいのか迷っているという方は、利用サービスの規約を確認してみましょう。基本のレンタル料金に任意保険の保険料が含まれている可能性があります。

レンタカー会社各社は、原則として対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、人身傷害保険に加え、車両保険の保険料も込みの価格でサービスを提供していますので、自分の保険を使うメリットはそれほどありません。

ただし、レンタカー会社が加入している任意保険は「免責金額」が設定されており、事故の際に5万円から10万円程度の自己負担が生じる恐れがあります。自己負担金額をゼロにしたい場合は、免責額を補償するオプションを選択するとよいでしょう。

カーシェアリングの補償内容はサービスによって異なりますが、概ねドライバー保険よりも手厚い補償内容です。カーシェアリングのためにドライバー保険に加入する必要性は、ほとんどないといえます。

3-2 たまにしか運転しない方は「1日自動車保険」の検討を!

ドライバー保険に加入するほど頻繁に車を運転しない方は、1日単位で契約ができる1日自動車保険を検討してみてはいかがでしょうか。

1日自動車保険は、スマホやコンビニで気軽に加入することができます。車両保険を付保できる点、同居家族(配偶者を除く)が所有している車も補償対象になる点がドライバー保険との大きな違いです。

また、1日自動車保険は、商品により半日から最長7日まで契約できるので、年に数回のレジャーのときだけ任意保険に加入したいと考えている方向けの保険といえます。

1日自動車保険の詳細はこちらの記事でご確認ください。

⇒1日自動車保険とは?スマホやコンビニでも手軽に加入できる!

まとめ:知り合いの車を運転する機会が多い方はドライバー保険の検討を!

ドライバー保険は、「他人の車を頻繁に運転する方」向けの任意保険です。免許を保有しておりマイカーを所有していない方、レンタカーやカーシェアではなく他人の車を運転する頻度が高い方は加入を検討しましょう。

また、せっかくドライバー保険に加入するのであれば、現在加入中の保険を確認し、足りない補償を補う特約を付帯するといいのですが、保険証券を見ただけだと何が足りていないのか、何が不足しているのか一目では分からないという方もいらっしゃると思います。

そんなときは保険のプロに相談するのがおすすめです。 保険見直し本舗でも無料保険相談のご予約を承っています。是非、この機会に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

保険の比較・見直し・申し込みを保険見直し本舗に無料相談する
保険見直し本舗の店舗を探す