医療機関や薬局の窓口で支払った1ヵ月の自己負担額が高額になった場合、国の「高額療養費制度」を利用すると、一定の額があとから払い戻しされます。
いくつかの条件や申請の必要があるので、窓口で確認してみましょう。
公的医療保険制度をわかりやすく説明

公的医療保険制度には、その月の1日から月末までに窓口で支払った医療費の自己負担額が一定の金額(自己負担限度額)を超えると、超過した分があとから払い戻される高額療養費制度があります。
自己負担額の上限は年齢や所得水準で異なるため、それに応じて払戻額が算出される仕組みです。
また、同じ世帯で高額療養費制度の対象となる期間が1年間で3回以上に及ぶと、4回目から自己負担額が引き下げられます(多数回該当)。
大病をして入院期間が長引いた場合など、ぜひ申請しましょう。
また、この制度は医療機関にかかった月の翌月1日から2年間さかのぼって支給を申請することも可能です。
ただし、いずれの場合も入院時の食事代、差額ベッド代、先進医療にかかった技術料の他、入院で購入した日用品などは対象となりませんので、注意してください。
ケーススタディ:大病で1ヶ月入院したKさんの場合

大病になって1ヶ月入院した場合、自己負担額はどのくらいになるのでしょうか
神奈川県在住 Tさん(36歳 女性 年収約400万円)
Tさんの場合 年齢:69歳以下 収入:年収約370万~約770万円 |
1ヶ月入院すると…
高額療養費制度 | ■入院費 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
制度対象外 | ■食費 1日1,380円×30日=41,400円 ■差額ベッド代(個室~4人室) |
《高額療養費制度》80,100円+(医療費-267,000円)×1%+《制度対象外》240,000円が自己負担となります。
入院費/出典:厚生労働省ホームページ「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
食費/出典:厚生労働省ホームページ「平成28年4月から 入院時の食費の負担額が変わります」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000117203.html
差額ベッド代/出典:厚生労働省ホームページ「主な選定療養に係る報告状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00193.htmlをもとに保険見直し本舗が作成
保険アドバイザーのひとこと
高額療養費制度は「年齢」と「収入」で自己負担の上限が変わります。
制度の対象外の費用も入院が長引くと高額になります。
これらの費用をカバーできる医療保険もありますので、もしものための備えとして、ぜひご相談ください。