皆さん、お子さんの医療保険をどうしていますか?
「えっ? 子供の医療保険なんて……考えたこともなかったな」という方は意外と多いのではないでしょうか。医療保険というと、一家の大黒柱が「自分にもしものことがあっても安心なように」と加入するケースがほとんどですから、子供の医療保険にまでは、なかなか思いが至りません。
ですが保険各社からは、いろいろな「子供向け医療保険」が発売されています。医療保険単体のものもあれば、種類の異なる保障を組み合わせた複合タイプのものもあります。さらには学資積立とセットにした、貯蓄タイプの商品もあります。
意外と忘れがちな子供の医療保険。そのバリエーションや特徴も含めて、お話ししていきましょう。子育て中の方はもちろん、これからお子さんが欲しいとお考えの方も、ぜひ参考になさってください。
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1. 子供の医療保険とは、どんなもの?
1-1 バリエーション豊富な子供保険
子供の医療保険には、実は数多くの種類があります。子供向けに一から作ったもの。一般の医療保険に子供向けのアレンジを加えたもの。
また保障内容についてもバリエーション豊富です。シンプルに医療のみに特化したものから、生存給付金や学資積立が付いた貯蓄タイプのものや、親が亡くなった場合に毎年一定額が支払われる育英資金付きのもの。
さらに子供が他人に損害を与えたときの賠償金を補償する、賠償責任補償付きのものなど。
これらの多くは基本契約に付帯する特約で設定するケースが多いのですが、どのような保障が必要なのか、ニーズに合わせて選択できる利点は大きいでしょう。
さらには地震や津波などの天災による怪我や病気も補償対象に含めたり、第三者による加害行為による怪我まで補償してくれたりするなど、手厚い保障が用意された商品が多数あります。そのすべてを紹介することはできませんが、代表的なタイプをいくつかピックアップして、その特徴を見ていくことにしましょう。
1-2 基本はシンプルな医療保険
これは特に「子供向け」というわけではなく、一般の終身医療保険に子供が加入するというスタイルです。
終身医療保険については、以前は年齢制限があり、子供が加入することができませんでした。ですが今では生まれたばかりのゼロ歳児でも加入できる保険も登場しています。
内容については一般の終身医療保険に準じています。つまり保険料は生涯変わらず、同時に一生涯の保障をつけることができます。商品によっては、契約期間中に特約を追加したり、中途解約によって見直しをしたりということができるものもありますから、使い勝手はさほど悪くないかもしれません。
また終身医療保険に子供のうちから加入しておくと、月々の保険料がかなり低く抑えられます。払い込み期間を15歳、20歳と設定できるものもあり、こうしたタイプは子供が成人するときにお祝い代わりに渡す……という使い方もされているようです。
子供本人にとっては、社会に出るか出ないかの年頃では保険にまで手が回りませんし、加入するにしても月々の保険料は大きな負担になってしまいますから、有益なものでしょう。
1-3 医療+学資のハイブリッド保険
子供向けの保険というと、まず思い浮かぶのが「学資保険」でしょう。
義務教育から高校、大学と進学していくと、その都度まとまったお金が必要になります。その時のために資金を積み立てておきたいと考えるのは、親としては当然のことでしょう。こうした需要がそれだけ多いためか、現在発売されている子供向け保険商品の多くは、学資保険的な一面も備えています。というより、学資保険と医療保険をセットにしたような、いわば「ハイブリッド保険」が多々あるのです。
とはいえ、その保障内容は商品によってまちまち。学資の積み立てに重点を置いたものもあれば、医療保険をメインに学資保険を付加したものなど、形はさまざまです。どちらを重視するかはニーズによって異なるところですし、また具体的な保障内容は商品ごとに違いますから、そこは資料を取り寄せるなり見積もりをとるなどして、じっくりと検討するようにしましょう。
ただ、どのような商品を選ぶにしても、大切なのは「目的をはっきりさせておくこと」です。
これは医療保険に限ったことではないのですが、私たちは物を選ぶとき、ついつい欲張りになってしまうものです。ひとつの商品に「あれもこれも」と多くの要素を求めてしまって、いつまでたっても「これだ!」と決めることができません。
保険も同様です。ことに子供が加入する保険、医療保障の要素と学資保険のような貯蓄の要素を兼ね備えたものが多いのですが、その両方を満足させようとすると、「どれがいいのか、なかなか決められない」ということになりかねません。
二兎を追う者は一兎をも得ず、といいます。いま、そして将来にわたり「この子には何が必要なのか」を、しっかり見きわめることが重要です。
1-4 さまざまな子供保険の保障内容
子供保険の保障内容はこれまでお話ししたほかにも、いろいろなものが用意されています。その多くは「特約」という形をとり、主契約の付随契約という扱いですが、いずれもなかなか有益なものです。その一例をご覧いただきましょう。
■育英資金
親が亡くなったとき、一定の年齢に達するまで毎年決められた金額を支給してくれます。「一定の年齢」とは、大学卒業相当の「22歳」であることが多いようです。
■個人賠償責任補償
他人に賠償する責任が発生したとき、それを補償する保険です。つまり他人のものを壊したり、怪我をさせたりして賠償しなくてはならなくなった時に使える保険です。保険金の額は100万円程度から数千万円までと幅広いのですが、そこは商品によって差があります。
■死亡時保険金
加入者である子供本人が死亡、あるいは高度障害を負った場合に支払われる保険金です。多くの子供向け保険商品が設定されています。実際にはその額はあまり高くなくて0~200万円程度ですが、中には1000万円もの保障が用意されているものもあります。
■第三者による加害行為を補償
これは交通事故による怪我や第三者からの暴行、ストーカー行為などによる被害に対しても保険金が支払われるというものです。また、これらに該当する場合、入院・通院保険金などを通常の倍額支給してくれるものもあります。
このように、子供向け医療保険は一般のものと同様、さまざまな種類のものが発売されています。各社とも工夫をこらした商品を開発していますので、一つひとつをじっくり吟味し、絞り込んでいくようにしましょう。
また、これら単独の保険商品とは別に、親が加入している保険に「家族特約」という形で加入するという方法もあります。これは本契約の内容によって設定できる保障内容が変わってくるので、その良し悪しを一概に判断することはできません。あくまでも特約ですので、単独の商品のような幅の広さや融通性は期待しにくいのですが、中には小さな追加コストで大きな保障内容を付けられるものもあります。
これについてはまず現在加入している保険商品を再確認することが第一です。そして特約を付けられるかどうか、その内容はどのようなものかを把握したうえで、他の商品と比較検討してみることがオススメです。
2. 「子供の医療保険」が必要な理由
2-1 「子供の医療保険不要論」とは
「子供に医療保険は必要ない」と考える方は意外と多いようです。なぜ、こうした考え方が生まれてくるのか。「いらない」と考えるその理由を、探ってみることにしましょう。
■公的医療保険制度、助成制度が充実しているから
子供の医療費については公的医療保険制度がかなり手厚くケアしています。乳幼児の場合は医療費が無料ですし、地域によって差はあるものの、小学生くらいまでは自己負担分も自治体が助成してくれます。そのためほとんど医療費がかかりません。「そもそも医療費がかからないのだから、そこへの備えなどいらない」というわけです。
■現実的に、あまり役立つように思えない
医療保険は、怪我や病気による入通院に対して「1日あたりいくら」という日割り計算で保障されるものです。その金額には差があり、また自由に設定できる場合もありますが、「入院1日5,000円、通院1日2,000円」あたりが一般的な金額でしょうか。こうして入院や通院に備えておくのが民間の医療保険の主な役割ですが、子供が怪我や病気で入院するケースはそう多くはないのです。
年齢別の病院受診率 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
入院 | 外来 | |||||
総数 | 男 | 女 | 総数 | 男 | 女 | |
0歳 | 1,167 | 1,208 | 1,124 | 7,276 | 7,439 | 7,105 |
1~9歳 | 255 | 285 | 223 | 10,894 | 11,165 | 10,607 |
10~19歳 | 207 | 216 | 196 | 4,687 | 4,633 | 4,746 |
20~29歳 | 393 | 293 | 496 | 4,859 | 3,481 | 6,311 |
30~39歳 | 587 | 447 | 731 | 6,307 | 4,364 | 8,311 |
40~49歳 | 709 | 769 | 650 | 7,144 | 5,740 | 8,582 |
50~59歳 | 1,310 | 1,516 | 1,103 | 9,714 | 8,266 | 11,165 |
60~69歳 | 2,302 | 2,748 | 1,878 | 14,103 | 13,007 | 15,149 |
70~79歳 | 4,160 | 4,717 | 3,690 | 22,297 | 21,425 | 23,036 |
80~89歳 | 8,959 | 9,227 | 8,790 | 24,159 | 24,820 | 23,782 |
90歳以上 | 7,815 | 7,433 | 7,936 | 9,968 | 10,339 | 9,850 |
このデータ(*1)を見ると、10代までの子供たちは通院率こそ高いものの、意外と入院することが少ないことがわかります。だから「加入しても意味がない」というわけです。確かに、入通院をほとんどしないのであれば、そのために保険に加入する意味はないかもしれません。
しかし、その一方で多くの保険会社や共済組合から、子供向けの保険商品が発売されています。つまりはそれだけの需要がある、ということです。
では、子供の医療保険に加入する意味とは、いったい何なのでしょう?
2-2 「不要論」をあらためて考えてみる
前項で見たように、子供の医療保険については不要論も根強いのですが、この意見には意外なところに見落としがあるのです。「子供の医療保険不要論」について、別の角度から考えてみることにしましょう。
■公的医療保険がカバーしない出費は?
日本の公的医療保険制度は、おそらく世界的にもかなり充実した部類に属するでしょう。特に乳幼児をはじめとする子供たちへの保障は、目を見張るものがあります。ですがこれらの公的医療保険制度は、あくまでも直接的な医療費しか保障してくれません。その周辺の費用については、一切の保障はないのです。
たとえば、小さなお子さんが熱を出して病院に行き、3日ほど入院することになりました。さて、どのような費用が必要でしょう?
医療費や入院費は公的保険制度でまかなえますから、支払いは不要です。ですが小さなお子さんですと、「一人で入院」などできる道理はありません。たとえばお母さんが付きそうとなると、病室も個室が必要ですし、付き添い用のベッドもなくては困ります。
もしもお母さんがパートのお仕事などをお持ちなら、しばらくはお休みしなくてはなりません。たとえ退院しても、元の元気な状態に戻るまでは自宅療養が必要でしょうから、その間は仕事に出られず、収入は減ってしまいます。お母さん自身もお父さんも、食事は外食で済ますことが増えるため、出費もかさみます。自宅と病院とを行き来すれば、それだけ交通費もかかりますし、「荷物が多いから」とタクシーを使えば、さらに割高になります。
公的保険制度では保障されない出費がこれだけかかり、しかも得られるはずの収入が減ってしまうのです。これでも「子供の医療保険はいらない」と言えるのでしょうか。
■目先だけでなく、将来を見て考えてみる
確かに10代の子供たちは、他の年代に比べて入院率は少ないものです。逆に通院率は高いのですが、これはハシカや風疹、おたふく風邪、急な発熱などによるものが大部分かと思われます。高齢者のように「週に2回は病院に通っている」というケースは、非常にまれだと考えられます。子供たちはそもそも病気や病院にはあまり縁がないのです。
しかし、それだからこそ、今のうちに医療保険に加入することに意味があるのです。生まれた時には元気一杯でも、小児期に何らかの大病を患うことは実際にあります。そうなるとそれ以降、保険に入りたくても入れない、という状態になってしまうこともあり得ます。もしかしたらその持病のために、大人になっても保険に入れない、ということにならないとも限りません。ですが、子供が元気なうちに、たとえば終身型の保険に加入しておけば、そうしたことを避けることができます。
「子供の医療保険は、さして役に立たない」。確かに、短期的に考えればそうかもしれません。ですが、より長い目でみれば、むしろ「子供だからこそ加入するべき」という見方ができるのです。
3. 保険は、わが子の将来へのプレゼント
3-1 子供の可能性を広げる医療保険
子供は無限の可能性を持っています。彼らは白紙のままの自分の将来に、色鮮やかな夢をのびのびと描いていきます。思ったままに、自由に生きてほしい。親ならば誰もがそう思うことでしょう。
子供の頃に医療保険に加入することは、そうした「親心」を実現することにもつながります。前項の最後にお話ししたことは、まさにそのひとつです。
また子供が成長して大人になったとき、危険な趣味やスポーツ-ロッククライミングやスカイスポーツなどに没頭するようになっても、子供のうちに保険契約をしておけば、引受を断られることもありません。
また保険料は割高になりますが、終身保険で「20歳払込終了」のような商品を選べば、それ以降の支払いが不要で保障は生涯続きます。保険料の払い込みを完了したあとで、いずれ社会に出て行く子供に手渡せば、それは大きなプレゼントになります。
社会に出て間もない頃には、そもそも「保険に加入する」という発想自体が希薄でしょうし、たとえその必要を感じていても、医療保険にかけるコストを捻出することは難しいことでしょう。ですがすでに払い込みが終わった保険をそのままもらえるというのは、本人にしてみれば非常に心強く感じるはずです。
さらに解約返戻金があるタイプならば、その後の人生の節目節目で、もしもの時の緊急資金として活用することもできます。もちろん使うか使わないかはその時々の判断次第ですが、そうした選択肢があること自体が心の余裕と安心感を与えてくれるはずです。
3-2 受け渡していく「安心」
子供の医療保険は、その大部分は親が契約者となって加入します。「当たり前じゃないか」と言われそうですが、実はお父さんお母さんだけでなく、お祖父さん・お祖母さんがお孫さんのために契約する、という例も少なくないのです。
小さなお子さんがいる家庭はたいてい親御さんもまだ若く、経済的にも余裕たっぷりというわけではありません。家や車のローンもあるでしょうし、将来への備えとして貯蓄にもお金を回したいところです。子供の成長を手放しで喜びながらも、ベビー用品や子供服など、こまごまとした出費が多く、意外なほどにお金がかかります。「子供の将来のために何かしたいけど、なかなか……」というのが本音かもしれません。
そうした状況を思い遣ってか、お孫さんの誕生祝いとして、何らかの保険商品をお祖父さんお祖母さんが契約してプレゼントする、というパターンが近年増えているようです。子供以上に孫は可愛いものだといいますが、こうした誕生祝いはお子さん本人のためにもなりますし、親御さんも大歓迎でしょう。
まとめ:保険は子供に贈るプレゼント
このように、子供の医療保険というのは、単純に「予想外の出費を補填する」というだけのものではありません。確かに機能としてはその通りのものなのですが、それ以上の価値が、確かにそこにあるのです。
子供向けの保険商品は各社から数多く発売されており、そのバリエーションは豊富です。一方で、子供に対する公的医療保険は非常に充実しており、これ以上の保障はいらないではないか、と考えたくもなるものです。
ですが子供の医療保険は、「今すぐ役立つ」だけのものではありません。むしろ子供が成長し、大人になって、自分の生きたいように生きていく、その将来を見守り、安心を届けるためのものでもあるのです。
生まれたばかりのわが子のために、あなたが作った保険証券。それはやがて、成長したわが子の手に渡ります。そして預金通帳などと一緒に机の引き出しの中に仕舞いこまれ、いずれ立派なファイルに入れられるでしょう。インクの色は少し色あせ、そのうちに銀行の貸金庫に収められるようになるかもしれません。
そして何十年かが過ぎた頃、わが子の役に立つ時を迎えるのです。子供の医療保険というものは、親が子供に贈ることのできる、大きな大きなプレゼントなのです。
ぜひ、保険見直し本舗でプレゼント選びのお手伝いをさせていただければうれしい限りです。コンサルティングアドバイザーの意見を参考にしながらじっくりと“お子さんやお孫さまへの贈り物”として最適な医療保険をお選びいただけます。
まずはお気軽にご相談をお寄せください。心よりお待ちしております。