女性保険の選び方! 貯蓄型と掛け捨て型の2タイプを保障比較!

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保険の基礎知識
女性保険の選び方! 貯蓄型と掛け捨て型の2タイプを保障比較!

女性保険は、基本的には通常の医療保険に、女性特有の病気や女性がかかりやすい病気を手厚く保障する特約がセットになった保険商品。通常の病気を保障しながら、女性特有の病気等の場合には、さらに手厚い保障が受けられるというのがその基本的な仕組みです。

しかし、一口に「手厚い保障」といっても、保険会社や個々の商品によってその内容はさまざま。「いっぱいあり過ぎてどう違うのか分かりづらい」「何を基準に比べればいいの?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

商品ごとの違いは一見、少し分かりづらく思えますが、女性保険とはいわば「女性のニーズに特化して生まれた医療保険」ですから、その比較のポイントも医療保険とそう大きく変わるわけではありません。

医療保険には、大きく分けると医療保障とお金を貯める機能を備えた「貯蓄型」と、医療保障のみを重視した「掛け捨て型」の2つのタイプがあります。これらに加え、死亡時に一時金が受けられる「死亡保障タイプ」もあり、まずどのタイプを選ぶかが大きなポイントになるのは、女性保険も一般の医療保険も変わりはありません。

保障期間が限定される「定期型」と生涯保障が続く「終身型」があるのも同じで、「妊娠・出産期前後だけ手厚い保険を利用したい」などのニーズに合わせて加入することも可能です。

ここでは、タイプ別に女性保険の種類についてお話していきたいと思います。女性保険を選ぶ際にお役立て頂ければ幸いです。

1.ボーナスの支給がある「貯蓄型」

1-1 基本の構造は医療保障+ボーナス金

「貯蓄型」は医療保障にプラスして貯蓄機能を備えた商品です。女性保険の中でも解約払戻金があるもの、数年ごとに生存ボーナスや健康お祝い金などの一時金が支払われるものがこのタイプにあたります。

医療保障の部分については次章以降で詳しく紹介しますが、掛け捨てタイプと同じように「医療保険+女性疾病特約」が基本形で、会社ごと、商品ごとに保障内容に少しずつ違いがあるのも同じです。メインは病気・ケガのときの入院給付金や手術給付金で、女性特有の病気のときにはより手厚く保障を受けられるイメージとなります。

また、基本の保障に加えて、三大生活習慣病(がん、心筋梗塞、脳卒中)や先進医療に手厚い保障を付加できる特約が用意されている商品があるのも、掛け捨て型と変わりません。

掛け捨て型と違いがあるのは医療保障以外の部分で、大きくは以下の2つです。

■解約払戻金がある
保険を途中で解約した場合、掛け捨て型は何も戻ってきませんが、貯蓄型だと解約払戻金を受け取ることができます。金額はそれまでに払い込んだ保険料の総額や保険の期間、加入年数などによって決まります。保険期間が終身で、保険料の払い込み期間を60歳や65歳までに設定している場合において、払い込み終了後に解約すると、払い込んだ金額以上の解約払戻金を受け取れる契約内容も多くあります。

■数年ごとのボーナス(お祝い金)がある
入院の有無や回数にかかわらず、生きていれば支払われる「生存給付金」、大きな手術などがなかった場合に支払われる「健康お祝い金」など、3年、5年などの予め定められた期間ごとにボーナスを受け取ることができます。途中解約はしないことのほうが多いでしょうから、貯蓄型は通常の医療保障に加えて女性特有の病気等にも手厚い保障を受けることができ、数年ごとの定期ボーナスも楽しめる商品だということになります。

1-2 貯蓄型のメリットは?

このような貯蓄型の一番の魅力は、条件を満たせば数年ごとに一定の金額を受け取れるので、払い込んだ保険料が無駄にならないということです。

各商品によってボーナスが支払われる期間や条件は異なりますが、多くは「生存給付金」か「健康お祝い金」のどちらかで、金額は十数万円~数十万円程度であることがほとんどです。数年ごとにこれだけの金額が受け取れるのは、家計にとってはかなりうれしいところ。子どもの進学資金や家族旅行の費用など、さまざまな用途に使うことができます。

1-3 ただし月々の保険料負担は重め

ただし、注意しなければいけないのは月々の保険料とのバランスです。というのも、貯蓄型の女性保険は一時金の分も月々の保険料に含まれているため、掛け捨て型に比べると保険料負担が重めに設定されていることが多いからです。

定期的に受け取れるボーナス金は確かに魅力的なのですが、そのために必要な保障をカバーしていない商品を選んでしまったり、月々の保険料を抑えるために医療保障の内容を必要以上に小さくしてしまったりしては本末転倒。通常の医療保障+女性特有の病気で手厚い保障が受けられる女性保険に加入する意味がありません。

貯蓄型の保険を選ぶなら、ボーナス金受け取りの条件や受け取れる金額、そして月々の保険料とのバランスなどを含めて総合的に考えることが非常に大切になると言えるでしょう。

2.医療保障重視の「掛け捨て型」

2-1 まず注目したい基本部分の保障内容

「掛け捨て型」は、基本的に医療保障に重点をおいた商品。前述の貯蓄型とは違い、解約・満期の際の払戻金や、数年ごとの一時金ボーナス等はありません。その代わりに、月々の保険料負担は軽めなのが特徴です。

期間については1年更新・15年などの契約期間が決まっているもの、終了年齢が決まっているもの、一生涯保障が続くものなど、さまざまな期間設定のものが販売されています。

基本の保障は「一般の病気による入院・手術の通常保障(医療保険)+女性特有の病気等による入院・手術時の上乗せ保障(女性疾病特約)」ですが、その内容は商品により、例えば以下のような部分に違いがあります。

■通院や短期入院への対応
日帰り~5日程度の短期入院の場合に給付金が受け取れるかどうか、またその金額は商品によってかなりばらつきがあります。現在は日帰り手術も増えていることを考えると、受け取れるほうがおすすめです。また入院・手術の場合だけでなく、通院でも給付金を受け取れるものもあります。

■がんの扱い
多くの女性保険では、女性特有の病気等以外での入院・手術でも保障が受けられますが、がんの扱いについて、その範囲や金額は商品により違いがあります。

■手厚い保障になる「女性特有の病気」等の範囲
乳がんや子宮頸がん、異常分娩に分類される帝王切開などは、通常どの女性保険でも手厚い保障の範囲に含まれますが、乳がんの治療で乳房をすべて切除した場合に行いたい乳房再建手術や、「女性特有ではないけれど女性に多い病気」とされる甲状腺の病気、関節リウマチ、鉄性欠乏貧血などはプランによって保障に含まれるものと含まれないものがあます。

■正常分娩の取り扱い
自然に陣痛が始まり、赤ちゃんの誕生まで特別な処置を行わない「正常分娩」は、病気には当たらず、ほとんどの保険では保障の対象にはなりません。しかし、女性保険の中には正常分娩による入院でも給付金が受け取れるものもあります。なお、帝王切開や陣痛促進剤の投与などがあると「異常分娩」とされ、こちらは通常どの女性保険でも手厚い保障の対象となります。

このように一口に女性保険といっても、基本保障にもさまざまな違いがあり、どの女性保険が自分に合っているかを見極めるのは決して簡単とはいえません。女性保険は、ポイントを押さえて一つ一つ保障内容をチェックしながら選んでいきましょう。

⇒女性保険はどうやって選ぶ?? 女性保険を選ぶ厳選ポイントはコチラ!!

⇒そもそも女性保険って何?? 女性保険の基本の「キ」はコレ!!

2-2 保障内容を追加した商品もある

また、商品の中には女性保険の基本である「医療保険+女性疾病特約」に加えて、がんなどの三大疾病や先進医療にも手厚い保障をしたものがあります。例えば次のようなものです。

■特定疾病保障が付いたもの
がん、急性心筋梗塞、脳卒中などの場合は入院保障日数無制限など、女性特有の病気等以外にも、特定の病気に対して手厚い保障が付いている商品です。なお通常の医療保険では、三大疾病の場合だと入院保障にも60日、120日、180日など日数制限があるのが一般的です。

ほかにも、初めてがんになった場合に一時金が受け取れる、どんながんの場合でも入院日額が割り増しで受け取れるなど、特にがん治療に特化したものもあります。

1つの商品の中に「基本コース」「がん充実コース」「三疾病充実コース」など、これらの保障に対応したいくつかのコースが設けられている場合が多いです。

■先進医療保障が付いたもの
重粒子線治療や陽子線治療(ともに放射線治療の一種)など、先進医療を受けた際に治療費のうちの技術料が実費で支払われたり、一時金を受け取れたりする商品です。何が先進医療に当たるかは厚生労働大臣が定めるとされており、2022年4月1日現在で84種類が先進医療に認定されています(*1)。

先進医療の定義は多少ややこしいのですが、簡単に言うと「大学病院や大病院などで研究・開発された医療技術で、臨床を繰り返しその安全性・治療効果は十分に確保されているけれど、公的保険の対象とするかはまだ検討中のもの」。したがって公的保険の対象とはならず、治療費は全額患者負担となり、場合によっては治療費が数百万単位と非常に高額になることもあります。

参考までに、先進医療のうち実施件数が多いものについて技術料をお伝えしたいと思います(*2)。先進医療保障は、このような治療を受ける場合に頼りになる保障です。

先進医療の技術料

2-3 医療相談が受けられるものも

このほか、直接の医療保障ではありませんが、セカンドオピニオンや医療相談が受けられるサービスが付いた商品もあります。

このように女性保険の保障の内容にはさまざまなものがありますが、これらすべてが揃っている商品はまれで、多くのものはこれらの中からいくつかの保障が組み合わされたパッケージ商品になっています。

そして、ひとことで女性保険といっても、その保障の組み合わせはさまざまで、多くのバリエーションが存在します。その中から自分のニーズに合った女性保険を選ぶ作業は、なかなか一筋縄ではいきません。そのようなときには、「女性保険を選ぶときに注意すべきポイント」や「人気のある女性保険」などの要点を抑えて、効率的に保険を選んでいくのが早道です。

保険見直し本舗でも女性保険を選ぶポイントをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

⇒たった3つだけ!! 失敗しないための女性保険えらびの厳選ポイントはココ!!

3.家族のことを考えた「死亡保障型」

3-1 死亡時に一時金が出る女性保険

先に紹介した2つとは違い、「死亡保障型」は独立した分類ではなく、「貯蓄型」「掛け捨て型」のどちらのタイプにもみられる商品です。つまり、「貯蓄型」×「死亡保障型」と、「掛け捨て型」×「死亡保障型」の両方が存在します。その内容は、名前の通り、死亡時に一時金として遺族に数百万が支払われるというもの。

まとめると、「通常の医療保障+女性特有の病気等への手厚い保障+亡くなった時の保障」というように、3つの保障を兼ね揃えた商品だということになるでしょう。

3-2 死亡保障が必要な場合とは?

とはいえ、死亡保障は全員に必要だというわけではありません。そこでまずは、死亡保障が必要なのはどんな場合なのかを考えてみたいと思います。

死亡保障は万が一のことがあった場合に、残された家族の暮らしを守るために付加するものです。ですので、独り暮らしで残される家族がいない場合は、そもそもあまり必要性がありません。反対に自身が一家の大黒柱として家計を支えているような場合には、もし亡くなれば家計の収入が大きく減ってしまうため、死亡保障は非常に重要になってきます。

この2つの場合については簡単ですが、結婚して子どもがいるような場合はどうでしょうか。共働きの場合と専業主婦の場合とでは少し事情が変わってきます。

■共働きの場合
夫にも収入があるので、死亡保障が必要かどうかはケースバイケースとなることが多いです。ただし子どもの養育費や学費には大きな資金が必要であり、妻が亡くなった後は夫1人の収入でそれを支えていくことを考えると、死亡保障を付けておく必要性は十分にあると言えるでしょう。

■専業主婦の場合
専業主婦の場合は、亡くなったとしても家計の収入が大きく減ることはありません。ただ、死亡時には葬式代などが必要になるのはもちろん、子どもが小さい場合に、残された夫は家事に加えて保育園や幼稚園の送り迎えなどもこなしながら仕事を続ける必要があり、経済的な負担は大きくなります。万が一に備えて保障を付けておくと安心です。

⇒共働きと専業主婦で保険の選び方が違う?? ライフスタイルに合わせた保険の選び方!!

3-3 死亡保険金はいくら必要?

では、死亡保険金はいくらぐらい必要になるでしょうか? それを考える際には、夫または妻が亡くなったときの公的保険について知っておくと役に立ちます。

日本は国民全員が公的年金に加入する「国民皆年金制度」を取っており、20歳以上60歳未満で日本に居住する人は全員「国民年金」に加入することになっています。これに加えて、会社員や公務員など、どこかに勤めている人は「厚生年金」にも加入しています。

公的年金には「遺族年金」というものがあり、加入者が亡くなった場合には亡くなった人によって生計を維持されていた遺族に年金が支払われます。2022年度の金額は、国民年金のみなら年間77万7,800円+子ども2人まで各22万3,800円(*3)。厚生年金に加入している場合には、2020年度の平均額は年間約100万円(*4)です。

また、国民年金の第1号被保険者として保険料を3年以上納めた人が老齢年金を受け取る前に亡くなってしまった場合、生計を同じくしていた遺族は「死亡一時金」を受け取ることができます。金額は保険料を納めた月数に応じて12万~32万円です(*5)。

これらを踏まえて考えてみると、共稼ぎの場合には夫自身の収入があるために大きな額は必要なく、貯蓄が十分にあるのならごく小さな額でも大丈夫でしょう。一方、妻が家計を支えているような場合には、いくらこの先、公的年金を年額約100万円を受け取れるとしても、子どもの養育費のことなどを考えれば、ある程度まとまったお金がほしいところです。

まとめ:まず「保険に求めるもの」を明確に

ここまで、以下のような内容をお話ししてきました。

  • ・女性保険は「貯蓄型」「掛け捨て型」の2つのタイプに分けられ、それぞれに死亡保障が付加されたタイプもある
  • ・基礎部分の「医療保障+女性疾病特約」の内容は保険会社・商品によりさまざま
  • ・さらにがんや先進医療保障を手厚くした商品もある
  • ・貯蓄型は定期ボーナスというメリットがあるが、保険料負担が重め
  • ・死亡保障は公的年金の保障範囲を知った上で考えるのがおすすめ

一口に「女性保険」といっても、その内容は保険会社・商品によってさまざまであり、保障内容も大きく異なっています。個人のニーズはそれぞれなので、女性だから女性保険に入っておけばいいというわけでもありません。比較検討する際は、まず自分が保険に何を求めているのかを考えた上で、それに合ったタイプを選ぶようにすることが正しい方法だと言えるでしょう。

しかし、比較検討しようにも具体的にどういったポイントについて考えればいいのかわからない、というお客様の声も多く寄せられています。その際は保険見直し本舗の無料保険相談、または保険相談ショップへお越しいただいて将来への課題や懸念などをお話いただければと思います。経験豊富な保険の専門家としてご対応させていただきますので、ぜひお気軽にご利用ください。