遺族年金の受給額や受給要件とは?受給に必要な手続きも解説

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遺族年金の受給額や受給要件とは?受給に必要な手続きも解説

家族を養う働き手が亡くなった際に、国民年金や厚生年金に加入していれば、「遺族年金」が遺族へ支払われます。生命保険を見直すときには、遺族年金の受給金額を念頭に置いて、必要な保障額を決めるのがおすすめです。遺族年金は加入している年金に応じて受給要件や支払金額が異なるため、自分が死亡した場合には遺族年金がいくら支払われるのかを事前に調べておきましょう。

この記事では、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類の遺族年金について、受給要件や金額、必要な手続きを解説します。

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1. 遺族年金とは

遺族年金とは、国民年金もしくは厚生年金に加入している人が死亡した際、遺族に支給される年金のことです。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。

・遺族基礎年金

自営業者など、国民年金に加入している人の死亡時に遺族が受け取る年金です。遺族基礎年金を受給できるのは、死亡した人の収入で生計を維持していた、子のいる配偶者もしくは子です。

・遺族厚生年金

会社員や公務員など、厚生年金の加入者が亡くなったときに遺族が受け取る年金です。遺族厚生年金を受給できるのは、死亡した人の収入で生計を維持していた遺族で、年齢などによって給付の条件が設けられています。

遺族基礎年金と遺族厚生年金、どちらの受給要件にも該当する場合は、両方の遺族年金を受給することが可能です。

出典:日本年金機構「遺族年金」

 

1-1. 遺族年金の受給要件となる「生計維持関係」

遺族年金の受給要件には「生計維持関係」があります。生計維持関係とは、遺族と死亡した被保険者の配偶者や子であって、死亡の当時生計を同じくしており、かつ遺族の収入が一定以下である関係です。

「生計が同一かどうか」は、住民票や「生計同一関係に関する申立書」によって判断します。生計同一関係に関する申立書とは、被保険者と遺族で、住民票上の住所や世帯が異なる場合に、生計を同じくしていると証明する書類です。

収入に関する認定要件は、前年の収入が850万円未満、もしくは年間所得が655.5万円未満であることです。この金額を超えていても、近いうちに定年退職などで収入が下がる場合は、生計維持が認められます。

出典:厚生労働省「生計維持・生計同一関係の認定基準」

 

2. 子がある方が受給できる遺族基礎年金

遺族基礎年金を受け取れるのは、「子がいる配偶者」もしくは「子」です。遺族年金において、子とは、18歳になった年度の3月31日までにあるか、もしくは障害等級1級または2級で20歳未満の人を指します。

被保険者(故人)は、以下のいずれかを満たしていなければなりません。

  1. 国民年金の被保険者である
  2. 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所がある
  3. 老齢基礎年金を受給している
  4. 老齢基礎年金の受給資格を満たしている

出典:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」

ただし、1・2は、死亡日の前日までに、保険料納付済期間および保険料免除期間が国民年金加入期間の3分の2以上あることが条件です。また、死亡日が2026年3月末日までの人に限り、65歳未満であれば、死亡日の前日時点で、亡くなる2か月前までの1年間に保険料の未納がなければよいとされています。

3・4は、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間の合計が25年以上であることが条件です。

 

2-1. 遺族基礎年金の受給金額

遺族基礎年金の受給金額は、一律の額である「基本年金額」と、子の人数に応じて加算される「加算額」で決まります。基本年金額と加算額は、年度によって変わります。

2023年度の基本年金額は、年額795,000円(昭和31年4月1日以前に生まれた方は792,600円)です。子の加算額は、1人目・2人目は各228,700円、3人目以降は各76,200円となっています。

出典:厚生労働省「遺族年金ガイド 令和5年度版」

子のある配偶者の場合、受給額は以下の通りです。

子が1人 795,000円+228,700円=1,023,700円
子が2人 795,000円+228,700円+228,700円=1,252,400円
子が3人 795,000円+228,700円+228,700円+76,200円=1,328,600円

出典:厚生労働省「遺族基礎年金(2)

子が年金を受け取る場合、基本年金額に、2人目以降の加算額を足して計算します。上記を子の数で割った金額が、1人あたりの受給額です。

遺族年金の詳しい計算方法はこちら

 

2-2. 遺族基礎年金を受給する手続き

遺族基礎年金の受給手続きは、住所地の市区町村役場で行います。ただし死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、最寄りの年金事務所または年金相談センターとなります。

必要書類は、窓口で取得する年金請求書と、以下の添付書類です。

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 死亡者の住民票の除票
  • 請求者の収入確認書類
  • 子の収入確認書類
  • 死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)

死亡の原因が第三者行為の場合は、上記に加えて以下の書類も必要です。第三者行為とは、交通事故・暴力・勤務先での労災・食中毒など、ほかの人が原因となるケガや病気についての保険制度上の分類です。

  • 第三者行為事故状況届
  • 交通事故証明または事故が確認できる書類
  • 確認書
  • 被害者に被扶養者がいる場合、扶養の証明書類
  • 損害賠償金の算定書

そのほかにも、状況によって「年金証書」「合算対象期間が確認できる書類」等が必要になることがあります。また、国民年金に任意加入しなかった期間のある人は、別途書類が必要です。

出典:日本年金機構「遺族基礎年金を受けられるとき」

 

3. 子がない方でも受給可能な遺族厚生年金

遺族厚生年金は、子がない方でも受給可能です。遺族年金は、以下のいずれかを満たす方が死亡したときに支給されます。

  1. 厚生年金保険の被保険者である
  2. 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡している
  3. 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けている
  4. 老齢厚生年金の受給権者である
  5. 老齢厚生年金の受給資格を満たしている

出典:日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

遺族厚生年金の受給対象者は、被保険者と生活を同一にしていた遺族です。以下の中から、優先順位が最も高い人が年金を受け取ります。

1 妻
2 子 18歳になった年度の3月31日まで、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級であること
3 夫 妻の死亡時に55歳以上であること
4 父母 被保険者の死亡時に55歳以上であること
5 孫 18歳になった年度の3月31日まで、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級であること
6 祖父母 被保険者の死亡時に55歳以上であること

出典:日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

妻は年齢制限がありませんが、子のない30歳未満の妻は、受給期間が5年です。子のある配偶者が遺族厚生年金を受け取っている間は、子には支給されません。また、夫や祖父母の遺族厚生年金の受給開始時期は60歳からとなります。ただし、夫が55歳以上60歳未満の場合でも、遺族基礎年金を同時に受給できる場合に限り、遺族厚生年金を受給できます。

 

3-1. 遺族厚生年金の受給金額計算方法と目安

遺族厚生年金の受給金額は、死亡者の老齢厚生年金を基に決まります。死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が、遺族厚生年金の受給金額です。

{(平均標準報酬月額×7.125/1000)×(2003年3月までの加入月数)+平均標準報酬額×5.481/1000)×(2003年4月以降の加入月数)}×3/4

出典:日本年金機構「報酬比例部分」

2003年3月までは賞与が計算式に含まれていませんでしたが、2003年4月以降は賞与も計算対象になったため、2003年3月までと4月以降を分けて計算します。

平均標準報酬月額が25万円・35万円・45万円である場合の遺族厚生年金の年額は、それぞれ以下が目安です。加入は2003年4月以降、加入期間は300月、賞与を3か月分として計算し、2桁以下の数値を四捨五入しています。

25万円 35万円 45万円
約385,400円 約539,500円 約693,700円

遺族年金の詳しい計算方法はこちら

 

3-2. 遺族厚生年金の寡婦加算制度

遺族厚生年金には「中高齢寡婦加算」と「経過的寡婦加算」という制度があります。

中高齢寡婦加算制度は、厚生年金に20年以上加入していた被保険者の妻のための制度で、遺族基礎年金の4分の3の額(2023年度は596,300円)が支給されます。受給者は、以下のいずれかに該当する人です。

  1. 夫が亡くなったとき40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻
  2. 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子が18歳(障害のある子の場合20歳)に達し、遺族基礎年金を受給できなくなった妻

出典:日本年金機構「中高齢寡婦加算」

経過的寡婦加算制度は、遺族厚生年金を受けている妻が65歳になったとき、中高齢寡婦加算に代わり加算される制度です。これは年金の急激な減額を避けるための措置で、以下のいずれかに該当する人が支給対象です。

遺族厚生年金を受給しており、

  1. 65歳以上で、老齢基礎年金の受給を開始した、1956年4月1日以前生まれの妻
  2. 中高齢寡婦加算を受けており、65歳に達した1956年4月1日以前生まれの妻

出典:日本年金機構「経過的寡婦加算」

出典:厚生労働省「[年金制度の仕組みと考え方]第13 遺族年金」

加算額は、1986年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせて、中高齢寡婦加算の額と同額になるよう設定されています。

 

3-3. 遺族厚生年金を受給する手続き

遺族厚生年金の申請は、年金事務所または年金相談センターで行います。窓口にある年金請求書を記入し、以下の添付書類を提出します。

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 死亡者の住民票の除票
  • 請求者の収入確認書類
  • 子の収入確認書類
  • 死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)

出典:日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」

死亡の原因が第三者行為の場合は、別途書類が必要です。また、状況により「年金証書」「合算対象期間が確認できる書類」等が求められることがあります。国民年金に任意加入しなかった期間のある場合も、別途書類が必要です。

 

まとめ

遺族年金とは、国民年金もしくは厚生年金に加入している人が亡くなったときに、遺族に支給される年金です。「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、国民年金の被保険者である場合は遺族基礎年金が、厚生年金の被保険者の場合は遺族厚生年金が支払われます。どちらの受給要件にも該当する場合は、両方の遺族年金を受給することが可能です。

遺族年金の受給には、遺族と死亡した被保険者が生計を同じくしており、かつ遺族の収入が一定以下である「生計維持関係」が必要です。また、遺族基礎年金を受け取れるのは「子がいる配偶者」もしくは「子」で、一定の金額が支払われます。遺族厚生年金は子がない配偶者でも受給可能で、死亡者の老齢厚生年金の金額に応じて支払金額は変動します。

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