ネット保険最前線!メリット・デメリットと押さえておきたいポイント

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保険の基礎知識
ネット保険最前線!メリット・デメリットと押さえておきたいポイント

TVのコマーシャルでもよく目にする「ネット保険」。保険料が安いことがメリットのようですが、他にどんな特徴があるのでしょうか。また、実際に申込むにあたって気を付けないといけない点があるのかも気になります。

そこでこの記事では、ネット保険の特徴、メリット・デメリット、そしてネット保険を申し込む際の手順と注意点について取り上げます。ネット保険への加入を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

1.ネット保険とは? 一般の保険とどこが違う?

インターネット上で見積りが取れ、そのまま申込みまでできる保険は総称して「ネット保険」と呼ばれています。

ネット保険で扱われている主な商品は、具体的には以下の通りです。

  • ●生命保険(死亡保険)
  • ●医療保険
  • ●がん保険
  • ●損害保険(自動車保険・火災保険・地震保険など)
  • ●少額短期保険

「ネット保険」とは言われていますが、保険会社の営業担当者経由や、保険ショップで扱われている従来の保険と大枠としての商品ラインナップはほとんど変わりません。

では、一般の保険とはどのような点が違うのでしょうか。

1-1 ネット保険の品揃えには特徴がある?

ネット保険の商品ラインナップは従来の保険とあまり変わりません。しかし、大きな違いもあります。それは、ネット保険のほうが従来の保険に比べて商品内容がシンプルだという点です。

対面で保険契約をする場合、営業担当者やショップの人と相談しながら申し込むことがほとんどでしょう。そのため、自分が必要としている保障を特約で付ける、もしくはいらない保障を外したものを提案してもらうこともできます。

しかし、基本的にネット保険は加入時に相談をする相手がいません。そのため、「死亡保障〇百万円」「入院時の保障1日〇千円」といった分かりやすくシンプルなプランから選ぶことが多くなっています。

1-2 ネット保険はどんな人に向いている?

ネット保険の利用に向いている人についても見ておきましょう。

保険会社の営業担当者や保険ショップ経由で加入する場合、自分の家族構成、ライフプラン、日ごろ感じているリスクなどを相談しながら申し込む商品を決めることができます。商品についてわからないことがあれば、その場で質問することもできます。

このように対面販売であれば、保険の知識が特になくても、いろいろと教えてもらえますので安心と言えるでしょう。必要ならば自分や家族専用のライフプランシートを作成してもらうこともできます。

しかしネット保険の場合、どの保険にするかを相談する相手が基本的にいません。保険会社への見積り依頼、そして契約手続きまで、すべて自分でアクションを行わないといけないのです。もちろん、保障の見直しタイミングも自分で考える必要があります。そして、給付金請求も自分で連絡しないといけません。

これらの点から考えて、ネット保険に向いているのは以下のような方だと言えるのではないでしょうか。

  • ・ある程度保険の知識がある人
  • ・分からないことを調べるのを厭わない人
  • ・保険関連の手続きをすることを面倒だと思わない人

2.ネット保険のメリットは?

ネット保険がどのようなものかが分かったところで、メリットについて確認しておきましょう。

2-1 保険料負担が小さい!

保険料の安さはネット保険の最大の強みと言えるでしょう。ネット保険会社は人件費・店舗運営費などがかからないため、保険料を安くすることができます。契約者一人ひとりに付く担当者がいないこともあり、少ない人数で経営することが可能なのです。そして、店舗もないため、設備にかかる費用も不要です。

また、ネット保険は商品内容がシンプルなため、商品設計をするのに時間やコストがかかりません。その点も保険料負担が小さいことにつながっています。

なお、ネット保険会社に限らず、実店舗を構えている一般の保険会社のなかにもネット保険をリリースしているところがあります。こういったネット専用商品は、やはりシンプルな設計になっており、対面販売の商品と比較して保険料負担が抑えられているのが通常です。

2-2 いつでも申し込みができる

いつでも申し込みができる

保険に加入したくても、営業担当者と時間を合わせるのが大変、ショップに行く暇がないという方もいらっしゃるかもしれません。また、お住まいの地域に保険会社の営業所や保険ショップがないといったケースもあります。

ネット保険はインターネット環境がありさえすれば、24時間365日思い立ったらいつでも申し込みができます。家や会社にいる必要すらありません。保険加入のためだけに時間を使うのがもったいないという人にぴったりと言えるでしょう。

2-3 対面のわずらわしさがない

ネット保険は対面のわずらわしさがないのもメリットの1つです。特に、保険のことをいろいろ知りたくても、担当者や店舗スタッフと話すのが苦手だと思う方にはオススメです。

ネット保険であれば、回答を急かされることなく自分のペースで商品を検討することができます。

また、じっくり考えてから決めたいときでも、対面の場合は営業マンに再訪してもらったり、保険ショップのスタッフにもう一度時間を取ってもらう必要があり、少々申し訳ない気持ちになったりすることがありますが、ネット保険であればそのような気を遣うこともありません。

2-4 保障内容がシンプルで分かりやすい

ネット保険は「保障内容がシンプル」なこともメリットとして挙げられます。ユーザーの状況や希望に合わせて保障を設計・提案してもらえるわけではなく、契約者が自身で保障内容を決めないといけないため、死亡保障のみ、入院・手術保障のみなど、かなり分かりやすい商品設計になっていることがほとんどです。

従来の保険によくある「手厚い特約」「オーダーメイドの保障」などは不要と考えている方は、ネット保険を利用してみてはいかがでしょうか。

しかしネット保険が手軽だからと言って、どの保険でもいいわけではありません。最低限、月々の保険料や保障内容の比較や検討は必要です。ご自身の性別や年齢に合わせて比較・検討してみてはいかがでしょうか。

2-5 コールセンターなどの相談窓口が充実

ネット保険に興味があっても、相談する人がいないから心配、という方もご安心ください。

先ほど「相談する相手がいない」と述べましたが、その場にいないだけで、実はネット保険は相談窓口が充実している会社が多いこともポイントなのです。営業担当者がいなくても、すべてを自分で理解したうえで解決しないといけないわけではないのです。

電話で相談できるコールセンターはもちろんのこと、メールでの問い合わせも可能です。ネット保険会社によっては、自動応答のチャット形式で自分にぴったりの商品を提案してくれるところもあります。

3.ネット保険のデメリットは?

ネット保険のメリットを確認しましたが、反対にデメリットについてもチェックしておきましょう。

3-1 ある程度保険に関する知識が必要

先ほどから触れているように、ネット保険には営業担当者がいないため、加入する商品を自分で考えないといけません。保険についてまったく分からない状態で申し込むのはオススメできません。

ネット保険を利用したいのであれば、自分に必要な保障を洗い出したうえで、保険商品の特徴や、それぞれのメリットとデメリットを把握できるようにしておいたほうがよさそうです。

どうしても分からないことがあるときには、コールセンターなどの相談窓口を上手に活用しましょう。不明点を確認することができます。

3-2 すべて自分で手続きする必要がある

すべて自分で手続きする必要がある

従来の保険の場合、契約担当者や保険ショップから、見直しのおすすめなどの様子を伺う連絡が定期的に入ります。しかしネット保険では、たまに郵便物が届くこともありますが、保険会社や代理店側からの連絡はほとんどないと考えておいてください。

そのため、保障の見直しはもちろん、住所変更等の事務手続きはすべて自分から行わないといけません。結婚した、引越しした、子どもが生まれたなどのライフイベントがあった場合は、保険の見直しや事務手続きも忘れないようにしましょう。

また、給付金請求についても同様です。こちらから連絡をしない限り入院があったのかどうかも保険会社には知ってもらえません。

これは一般の保険も同様ですが、特にネット保険の場合は契約担当者と接触する機会がほとんどないため、保障内容とともに、どのような時に保険金が給付されるかもしっかり確認しておく必要があります。

3-3 商品のバリエーションが限られている

シンプルで分かりやすい商品内容はネット保険のメリットと言えますが、デメリットでもあります。必ずしも自分に合った保障になっているとは限らないからです。

また、ネット保険では付加できない特約もあります。自分の健康状態、家族構成に合ったオーダーメイドの保障でないと不安という方にはネット保険は不向きかもしれません。

ネット保険のみで自分が求める保障に限りなく近づけたいのならば、1つの商品だけに絞るのではなく、複数の保険に加入してさまざまな種類の保障を付けることを考えましょう。

3-4 審査が厳しくなる可能性も

ネット保険といえども、死亡保険・医療保険などに加入する際は、健康状態の告知が必要になります。状態によっては保険加入をお断りされることもあるのです。

一般的に保険料負担が小さいネット保険の審査基準は、従来の保険より厳しめだと言われています。従来の保険では加入できた健康状態でもネット保険では断られた、ということもあり得ますので注意しましょう。

そして、無事に加入できたとしても気を付けないといけないことがあります。加入時の告知内容に間違いがあった場合、給付が受けられない可能性があることです。

営業担当者が付いている場合は、申込時に告知の書き方や告知内容について事細かくチェックしてもらえます。しかし、ネット保険はすべて自分で行わないといけません。

告知が必要かどうか迷う項目についても、相談する相手がいないため「大丈夫だろう」と勝手に自分で判断してしまいがちです。ですので、ネット保険では告知漏れがないよう細心の注意を払う必要があります。

4.ネット保険を申し込む際の手順と注意点は?

営業担当者に会う必要もなく、ショップに行かずとも申し込みできるネット保険。最後に、申し込む際の注意点を挙げておきましょう。

4-1 自分に必要な保障を把握する

自分に必要な保障を把握

基本的にネット保険では、何に加入するか、保障をいくらにするかを自分で決めないといけません。そのため、自分に必要な保障内容、保障金額を把握・検討しておく必要があります。

申込をする前に本や雑誌、インターネットなどの保険情報をチェックして、自分の年齢や家族構成ではどのような保険に加入するのがいいのかを学んでおきましょう。

なお、ネット保険会社によってはコールセンターや自動応答チャットなどで、最適の保険を案内するサービスを提供しているところもあります。事前に保障内容を決めている場合でも、確認のため利用してみることをオススメします。

4-2 申込内容は正確に!

いつでも申し込みできるネット保険の場合、申込書の記入(入力)時もアドバイスしてくれる人はいません。住所・氏名・生年月日などはもちろんですが、健康状態の告知も漏れなく間違いなく行うように気を付けてください。

告知内容が間違っていたため、肝心の給付が受けられなかったということにならないようにしましょう。

4-3 安さだけを求めない!

ネット保険は保険料が割安なのがメリットです。しかし、自分が必要とする保障を無視してまで加入する必要はありません。

本当はがん罹患時の保障が欲しいのに、保険料負担が小さい医療保険を選ぶ、などということは絶対にやめましょう。保険本来の目的にかなっていません。保険料を見る前に必ず保障内容のチェックをしてください。


まとめ:気になるネット保険、特徴を理解して上手に利用しよう

ネット保険には、保険料が安いこと、場所や時間を考えずに加入手続きができることなど、大きなメリットがあります。

しかし、自分ですべての手続きを行わないといけないため保障内容をしっかり把握しておく必要がある、商品ラインナップが従来の保険に比べて少ない、などといった注意点があることも忘れないでください。

これから保険の加入を考えるならば、保障を充実させるために、すべてをネット保険に頼るのではなく、従来の保険とネット保険の同時加入も検討してみるのもオススメです。

また、コールセンターなどの問い合わせ窓口が充実しているネット保険会社も少なくありません。手続きをする中で不明な点があれば、積極的に活用しましょう。