保険を活用して痴漢冤罪から身を守る方法!弁護士費用保険とは!?

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保険の基礎知識
保険を活用して痴漢冤罪から身を守る方法!弁護士費用保険とは!?

痴漢は卑劣で最低な犯罪です。

しかし、その一方で身に覚えのない「痴漢冤罪」に苦しんでいる方も多いと言われています。いったん裁判へともつれ込んだが最後、有罪率は99%以上にも達するとされており、ほとんど無罪を勝ち取るのは不可能なのが現状です。

不運にもその場に居合わせただけで、人生がメチャクチャになってしまうかもしれない痴漢冤罪被害。最悪の場合、職場を追われ、離婚を突き付けられ、子供はいじめられ、両親は後ろ指をさされる……。満員電車に揺られて通勤・通学する男性は、常にそのようなリスクに晒されていると言えるでしょう。

それでは、もしも痴漢に間違われたときには、どのように対処すればいいのでしょうか。この記事では、痴漢冤罪を回避するための対処方法について詳しくお伝えしていきます。

また、最近は“痴漢冤罪リスクから身を守る保険”も登場しています。一般的には「弁護士費用保険」と言われている商品で、痴漢冤罪に対処する際に心強いアシストをしてくれます。ニュースなどでも盛んに取り上げられていますが、具体的にこの保険がどのような補償内容を備えているのか。この点についても、しっかり解説したいと思います。

本コラムが痴漢冤罪の恐怖に怯える皆さんの助けになれば幸いです。

1.痴漢の疑いをかけられたらどうなる?

1-1 「この人、痴漢です!」と叫ばれたとき、あなたの身に起こる恐ろしい事とは?

もしあなたが痴漢の疑いを持たれたらどうなるのでしょうか。

「この人、痴漢です!」

そう叫ばれてしまったとき、その女性本人、もしくは女性の訴えを聞きつけた周囲の乗客が駅係員を呼びに向かうでしょう。その間、周りからは蔑むような冷たい視線が注がれ、あなたは恐怖と羞恥で打ちのめされてしまうはずです。駅のホーム上で「さらし者」状態になり、一刻も早くその場から逃げ出したい思いに駆られます。

現場に駆け付けた駅係員の求めに応じて駅事務所に向かっても、残念ながらあなたに弁明や状況説明の機会はほとんど与えられません。即座に警察へ通報されてしまいます。警察官がやって来て「現行犯逮捕」となった場合は、ベルトコンベアー式に身柄が警察に引き渡され、警察署に連行されます。

警察署では調書が作成されるなどの所定の手続きがなされ、その間、外部との連絡は制限されます。そして、通常は48時間以内に検察へ送検され、検察では起訴するか不起訴にするかが判断されます。ところが、やっかいなことに、自分には身に覚えのないことだと主張すればするほど取り調べが厳しくなり、拘留の延長手続きが取られて、場合によっては何日も拘留されることもあります。

起訴されて「有罪」となれば、懲役刑あるいは罰金刑が課されます。あなたに「前科」がついてしまうこともあり得ます。懲役刑を免れたり、実刑ではなく執行猶予付きであったりしても、刑が確定するまでの期間は身柄を拘束されることも大いに考えられます。

また、起訴される前に示談となった場合でも、多額の示談金を支払うことになるかもしれません。場合によっては、罰金や示談金の支払いが厳しく、大きな借金を抱えてしまうことも十分に想定できます。

そして何より、「警察沙汰になったという事実」が、あなたが積み上げてきた社会的な信用を失墜させます。勤めている会社は解雇になるかもしれません。解雇を免れても、職場で「痴漢で警察沙汰になった人」という目で見られながら仕事をするのは大きな苦痛がともなうでしょう。

もしもメディアで実名報道されてしまった場合……考えるだけでも背筋が凍りつきます。

このように、痴漢の疑いをかけられたら、あなたの人生の歯車は大きく狂ってしまうかもしれないのです。たとえ、あなたが何もしていなくても……。

痴漢冤罪保険とは

1-2 痴漢の疑いを晴らすのは、とてつもなく難しい

痴漢疑惑が男性にとって大きなリスクであることをお伝えしましたが、それを晴らすことはそんなに難しいのでしょうか。「実際に痴漢をしていないのであれば、どこかで疑いが晴れるのでは?」と思うかもしれませんが、その可能性は低いと言わざるを得ません。

先述したように、痴漢疑惑をかけられたら、周りからは凍てつくような眼差しで見られてしまいます。おそらく羞恥心や恐怖心で、手足は震え、冷や汗も止まりません。冷静でいろ、というほうが無理な話です。

そのような状況に置かれたとき、駅係員から「ここで話すのも何ですから、事務所でお話しませんか?」と言われたら、多くの方が周囲の視線から逃れるために駅事務所へ同行したくなるのではないでしょうか。しかし駅事務所に向かえば、痴漢被害の場合は機械的に刑事事件の手続きが進められるのが通常です。

警察での取り調べでも、会社や家族などに知られたくない一心で一刻も早く釈放されたいと考え、やってもいない犯罪を認めてしまうケースも多いようです。そうなると、起訴されて裁判となったときに「自分はやっていない」と主張しても、罪状認否の証拠を覆すこととなり、認めてもらえる可能性は低いと言えるでしょう。

また、日本の刑事裁判での有罪率は99%以上です。痴漢も刑事裁判ですので、たとえ冤罪でも起訴されれば、ほぼ有罪確実と言えるでしょう。

このような状況から、痴漢冤罪の疑いを晴らすのは残念ながら「まず困難」と言われているのです。満員電車で通勤・通学している男性にとっては、痴漢冤罪は身近なリスクであり、「自分には関係ない」と無関心ではいられないはずです。

なお、日本には「当番弁護士制度」というものがありますが、これは逮捕されたときに自己の弁護のために1回だけ弁護士を無料で呼ぶことができる制度で、痴漢冤罪のような緊急対応が必要なケースには不向きと言えるでしょう。

2.痴漢冤罪を回避するためには「初動対応」が命!

前章では、痴漢の疑いをかけられ駅事務所に連れて行かれると、痴漢の疑いを晴らすのが極めて難しいことをお伝えしました。また、それによって、社会的な信用の失墜、人間関係の崩壊、経済的な損失などの大きな負担が、あなたの身に重くのしかかってくることも確認しました。

それでは、このような痴漢冤罪から逃れるためには、どうすればよいのでしょうか。

ポイントは「初動対応」です。「この人、痴漢です!」と叫ばれたときに、一つ一つ適切な対応を行うことができれば、痴漢冤罪を回避できる可能性は大きく高まると言えます。

そこで、この章では痴漢だと疑われたときに絶対に知っておきたい初動対応について、具体的にご紹介していきます。

2-1 初動対応でやってはならない2つのこと

まずは、初動対応で決してやってはならないことから見ていきましょう。

●ダッシュで逃げる
痴漢冤罪を回避する対処法として、「その場からダッシュで逃げる」という方法が紹介されていることがあります。「この人、痴漢です!」と叫ばれた瞬間に全速力でその場から逃げるべきだというのです。しかし、この方法は断じてやめるべきだと言えます。

なぜなら、駅構内を全力で走るのは好ましくないことはもちろん、冷静な判断ができない中で、もし線路などに下りてしまえば、鉄道の運行を妨害する危険な行為として大問題になります。

それに、「逃げる」という行為は「罪を犯した」と捉えられがちで、場合によっては捕まって逮捕される可能性が大いにあります。たしかに逃げたくなる気持ちは分かりますが、より状況が悪化してしまうリスクもあるので、この方法は控えたほうが賢明でしょう。

●強い口調で相手の女性に詰め寄る
不運にも痴漢扱いをされてしまったら、自らの身の潔白を訴えるために、相手の女性に反論することも当然ありえます。

そのとき、「証拠はあるのか」「痴漢呼ばわりして私を陥れるつもりか」「名誉棄損で告訴する」などと主張することも考えられますが、あまり強い口調で相手の女性に詰め寄るのはオススメできません。もしかしたら相手が「あれ? 間違いかな?」と感じ始めていたとしても、あなたの強い主張によって態度を硬化させてしまうかもしれないからです。

また、あまり口調がキツイと周りからの心証も良くはならないでしょう。場合によっては、周りから「うわ! なんてことだ! 悪あがきで痴漢が逆上している! 往生際が悪すぎる!」と見られかねません。もちろん自分が痴漢をしていないことはハッキリと言うべきですが、あくまで冷静に落ち着いた対応をしたほうが得策です。

2-2 初動対応でやるべき4つのこと

続いて、初動対応でやるべきことについてお伝えしていきます。

●キッパリと痴漢をしていないと主張する
まずは「私は断じて痴漢などしていません。何かの間違いです」と毅然とした態度で明確に痴漢であることを否定しましょう。これは基本的なことですが、とても重要です。

たしかに急に痴漢だと指をさされて、とっさに痴漢であることをキッパリ否定するのは勇気がいるかもしれません。恐怖心や羞恥心による緊張で思うように声を上げられないこともあるでしょう。

しかし、もしも最初に痴漢であることをちゃんと否定していなかったら、あとで「あなたが痴漢ではないとしたら、なぜ最初に否定しなかったのか?」と無用な誤解と疑問を招く恐れもあります。

「私は痴漢ではない」とハッキリと声に出して否定できるかどうか。それがあなたの人生の分かれ道になるかもしれません。やっていないなら、やっていない。しっかりと最初に宣言するところから始めましょう。

●スマートフォンや携帯で相手女性とのやり取りを記録する
相手女性や駅係員、警察官とのやり取りをスマートフォンなどで記録しておきましょう。音声でも映像でも良いので、できるだけ最初から証拠を残しておく、ということが大切です。こうすることで、「終始一貫して痴漢であることを否定し続けていたこと」「根も葉もない言いがかりで名誉棄損されたこと」などを後で明確に示すことができます。

また、相手と「言った/言わない」の水掛け論の泥仕合になることが避けられるのも大きなメリットです。もしも痴漢だと言われてしまったら、速やかにスマートフォンのカメラもしくは音声記録アプリを起動し、その場で何が起こったのかを後から参照できるようにしておきましょう。

●駅事務所には絶対に同行しない
相手女性とやり取りをしている途中で、駅係員がやってきます。業務上、駅係員はさまざまな言葉であなたを駅事務所まで連れて行こうとします。おそらく駅のホームにはあなたの味方はほとんどおらず、周囲からの冷たい視線に耐えかねて、「とりあえず駅事務所に移動しようかな……」と考えてしまうかもしれません。

しかし、駅事務所に同行したら駅係員はルーチンワーク的に警察へ通報します。そして、もしも現行犯で逮捕された場合、あなたは身柄を警察に拘束され、警察署で取り調べを受けることになります。そうなると、一気に痴漢の濡れ衣を晴らすのが難しくなることは、すでに述べた通りです。

ですので、駅事務所への同行を促されても拒否するのがベストでしょう。気を強く持って拒否することを心がけてください。

●周囲でやり取りを見ていた人たちの名前と連絡先を聞いておく
周りでやり取りを見聞きしていた人たちの名前、住所、連絡先などを必ず聞いておきましょう。これは、もしも後日裁判になったときに、「あなたが冤罪を主張し続けていたこと」などを証言してもらえるようにするためです。

もしかしたら、周りの人たちは「面倒な事に関わりたくない」「痴漢が何を言ってやがる。わざとがましい」「気持ち悪い……」といった思いで、あなたに個人情報を教えることを素気なく拒むかもしれません。でも、そんな冷たい態度に挫けないでください。証人がいるかどうかが、あなたの人生を左右することもありえます。誠実に根気強くお願いし続ければ、きっと誰か救いの手を差し伸べてくれるはずです。

2-3 あなたは冷静に初動対応できますか?

ここまで、痴漢に間違われてしまったときに冤罪を回避するための適切な初動対応についてお伝えしてきました。上でご紹介したような適切な初動対応をキッチリと実行することができれば、痴漢冤罪を免れる可能性は高くなるかもしれません。

しかし、果たしていきなり痴漢扱いをされて冷静な対応が取れるのでしょうか。たくさんの刺すような視線を周囲から浴びるなか、駅のホーム上であなた1人犯罪者扱いされるのです。頭が真っ白になって何もできないまま、気付いたら痴漢の汚名を着せられてしまうことが十分に考えられます。

初動対応でうまく立ち回れなかった。たったそれだけのことで、家族を、友人を、仕事を、そしてお金を失い、自分の人生はどん底に落ちてしまうのではないか……。

そう考えたとき、不運にも「痴漢だ!」と疑いをかけられたあなたの傍に、初動対応について適切なアドバイスをしてくれる心強い味方、たとえば弁護士がいたら、これほど心強いことはありません。そして、じつはそのような男性の悲痛な叫びに応えた保険があることはご存知でしょうか?

3.初動対応に失敗しないためにはプロのアドバイスを!「弁護士費用保険」とは?

3-1 その場で弁護士に連絡を取れる「ヘルプコールサービス」が最大の特徴

痴漢冤罪を免れるためには、とにかく初動対応が肝心だということはご理解いただけたと思います。一方で、「この人、痴漢です!」と叫ばれ気が動転しているなかで、適切な初動対応を取るのがそう簡単ではないこともお伝えしました。

そんな状況を救うべく登場したのが、「弁護士費用保険」。痴漢に間違われたまさにその時、電話で弁護士へ連絡して「初動対応で失敗しないためのアドバイスを受けられる」という点が最大のメリットの少額短期保険です。初動対応を正しく行ううえでは、とても心強い保険だと言えるでしょう。

しかし、なかには「そもそも警察や駅係員に電話をさせてもらえなかったり、途中で電話を切られてしまったりするのでは……」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。

強調しておきたいのは、堂々と電話をしてもまったく問題ないということです。逮捕前の段階で警察官や駅係員が電話を止めたり取り上げたりする行為は違法です。彼らはそのような権限を持っていません。どうしても電話をさせてくれない場合も、「私には弁護士に電話をする権利がある」と伝え、ヘルプコールへ電話するようにしましょう。

弁護士からのアドバイスを聞いたら、自分には逮捕される理由がないこと、したがってこの場にいる必要がないことなどを主張し、毅然とした態度でその場を立ち去りましょう。その場から立ち去ることが難しそうな場合は、駅係員や警察官にヘルプコールの弁護士と直接話をしてもらうようにしてください。あなたに代わって弁護士が対応してくれます。

平常心でいられないときに、どのような対応をすべきかを弁護士に相談できるのは、このうえなく心強いと言えるでしょう。

弁護士ヘルプコール

3-2 加害者になっても被害者になっても保険が使える!

また、こういった「弁護士費用保険」には、「弁護士へのヘルプコールサービス」だけでなく、他にもいくつかの補償が備わっていることが一般的です。

例えば、痴漢冤罪事件に巻き込まれた際の弁護士への相談料、接見費用、弁護士の交通費などが全額補償されます。接見費用とは、警察に身柄を拘束された以降の弁護士との面談にかかる費用のことです。

そして、これは痴漢冤罪事件には適用されませんが、あなたが事故の加害者になってしまったとき、賠償金を補償してくれる個人賠償責任保険という補償も備わっています。

この個人賠償責任保険の支払い対象になるのは、「日本国内において生じた日常生活に起因する偶然な事故、または住宅の所有、使用、管理に起因する偶然な事故によって、他人の身体の障害または財物に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合」となっています。少額短期保険の場合、交通事故、住宅の水漏れ事故、物損事故などでの賠償金で、補償額は最高1,000万円です。

さらに、あなたが被害者になったときにも保険金が支払われます。こちらは、国内での偶然な事故(痴漢冤罪・痴漢被害を含む)によって被害が発生した場合に、損害賠償請求を弁護士にお願いしたときの弁護士費用等を最高300万円まで補償してもらえます。また、事故によって被害が発生した場合の法律相談費用を最高10万円まで負担してもらえます。

3-3 じつは女性でも活用できる「弁護士費用保険」

「弁護士へのヘルプコールサービス」は、男性のみが利用できるものかと思いきや、じつは痴漢被害に遭った女性も利用することができます。実際に痴漢被害に遭っても相手が言い逃れしようとしていたり逃走しそうになったりしたときに、どう対応すればいいのか、すぐに弁護士からのアドバイスがもらえます。

そして、痴漢被害に遭った際の弁護士への相談料、接見費用、弁護士の交通費などが全額補償されます。つまり、これまで男性向けとしてご紹介してきた「弁護士へのヘルプコールサービス」の裏返しバージョンとも言えるサービスです。

もちろん、自分が事故の加害者となったときの個人賠償責任保険、事故の被害者となったときの弁護士費用等保険金と法律相談費用保険金は、性別に関係なく補償されます。


最後に、これまでの説明をお読みになればご理解いただけると思いますが、念のため記しておきます。こういった「弁護士費用保険」は、けっして痴漢の冤罪を晴らしてくれる保険ではありません。冤罪になることを避けるために重要な初動対応をサポートしてくれる保険です。

とはいえ、痴漢の濡れ衣を着せられた人にとっては、これほど心強い保険は他にはないと言えるでしょう。世の男性の切実なニーズから生まれた保険なのです。

平穏な人生がある日突然、悪夢を迎えることがないように、あなたも弁護士費用保険を検討してみてはいかがでしょうか。