生命保険の審査に落ちる理由とは?落ちた場合の対処法も解説

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保険の基礎知識
生命保険の審査に落ちる理由とは?落ちた場合の対処法も解説

生命保険の加入の際には、自分の健康状態や職業について告知し、審査を受ける必要があります。審査内容は加入者の年齢や保険金額などにより変わるものの、主に保険金・給付金の支払いリスクが高いかどうかという点でチェックされます。自分の健康状態に不安がある方は、加入できるか、落ちたときどうすればよいのか、などの点で不安に感じやすいでしょう。

この記事では、生命保険の審査に落ちる理由や、落ちた場合の対処法、および告知義務違反について解説します。

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1.生命保険の加入時に審査が存在する理由とは?

生命保険の加入に審査が必要なのは、加入者の公平性を保つためです。支払う保険料の一部が、他の加入者への保険金にあてられる生命保険は「相互扶助」で成り立っていると言えます。しかし、加入後すぐに保険金を受け取る人を加入させると、今まで保険料を支払っていた人との公平性に欠けてしまいます。また保険会社にとっても、保険金を支払う可能性が高い加入者が増えると、保険制度の運営に関わってくるでしょう。

できるだけ不公平をなくし、安定した保険制度を保つためには、加入者の審査を行い、支払事由発生のリスクが高い人を加入させるか判断する必要があります。

 

2.告知義務違反とは?

加入審査を受けるときに、虚偽の内容を告知した場合、告知義務違反に問われる恐れがあります。虚偽の申告が発覚すると成立している契約は解除され、保険金・給付金の支払いは行われません。

告知義務違反とは、自身の健康状態や傷病歴、職業など、生命保険会社が求める情報を故意または重大な過失によって告知しないことです。生命保険会社や代理店に口頭で説明しても「告知」とはみなされず、告知書への記載もしくは指定された医師に伝える必要があります。

通常、責任開始日より2年以上経過していれば告知義務違反があっても契約は解除されません。ただし、支払事由が2年以内に発生していた場合は契約が解除される場合があるほか、虚偽の内容が重大な場合は詐欺を理由として支払われないケースがあります。支払事由に該当しても保険金が受け取れなくなるため、審査への不安を感じたとしても質問には正直に答えるのが大切です。

 

3.生命保険の審査結果3種類

生命保険の審査結果は、以下の3種類があります。

  • 無条件
  • 基準をクリアしていて問題なく加入できる状態です。申込み時の契約内容のまま加入できます。

  • 特別条件の付加
  • 特定の条件を承諾するなら加入可能です。傷病歴が近い場合や保険金請求の可能性が高い場合に出る審査結果です。

  • 見送り(謝絶)
  • 見送りという結果が出ると保険に加入できません。審査に落ちた状態で、生命保険に加入したいなら対策を講じる必要があります。

「特別条件の付加」とは、リスクの高い人に一定の条件付きで加入を認めるものです。特定の疾病・手術に対する保障を外す「部位不担保・特定疾病不担保」、保障額を減らす「保険金削減」、保険料を割増しにする「保険料割増」などがあります。

 

4.生命保険の審査に落ちる3つの理由

生命保険会社の審査は、過剰に厳しいわけではありません。審査では保険金・給付金支払いの可能性が高いかを判断しているため、さまざまなリスクの有無がみられています。以下では、生命保険の審査に落ちる3つの理由を紹介します。

 

4-1.健康上のリスクがあると判断された場合

リスクが高い健康状態だと判断されると、審査に落ちる場合があります。保険会社ごとに判断は異なるものの、一般的に以下の告知事項を確認されます。

  • 傷病歴がある
  • 最近医師の治療や投薬を受けた
  • 保険会社の指定する病気にかかったことがある
  • 間近で入院歴がある
  • 健康診断・人間ドックで要再検査・要精密検査などの結果が出ている
  • 喫煙歴の有無
  • 妊娠の有無 など

過去の傷病歴は2~5年以内、投薬・治療期間は直近3か月以内で告知を求められるケースが多いでしょう。保険会社の指定する病気の治療歴を尋ねられる場合もあります。当てはまると必ず審査に落ちるわけではなく、告知内容や状態を踏まえて判断されます。

また、健康診断で要検査、要治療などを指摘されたのに放置していたり、BMIが高かったりすることを理由に、健康上のリスクがあるとされる可能性もあるでしょう。

 

4-2.職業上のリスクがあると判断された場合

危険がともなう職業はケガや病気のリスクが高く、審査に影響するケースがあります。たとえば、下記のような職種があげられます。

  • テストパイロット
  • スタントマン
  • 建設作業者
  • 高所作業者
  • 地下作業者
  • 潜水士
  • 航空機搭乗員
  • レーサー
  • 運転手
  • 重機オペレーター
  • 林業作業者
  • 高圧電気取扱者 など

危険職種の人は、デスクワークなど仕事中の危険が伴わない職種の人より保険金・給付金支払いの可能性が高くなります。審査に落ちなくとも、「特別条件の付加」となり保険金額を制限される可能性があるでしょう。判断基準は保険会社によって異なるため、どの職種が当てはまるかは各保険会社での確認が必要です。

 

4-3.モラルリスクがあると判断された場合

生命保険は多額のお金が動くため、悪用されるケースがありえます。そのため、保険会社はモラルリスクを重要視しており、道徳上のリスクが高いとみなされると、審査に落ちてしまいます。具体的には、反社会的勢力の関係者による契約や保険金不正受給、保険金悪用の可能性があると判断されると、加入を断られるでしょう。後から反社会的勢力との関わりが判明すると、契約を解除されることもあります。

 

5. 生命保険の審査に落ちた場合の対処法3選

保険会社から加入見送りの審査結果を出されると、これからの備えができず、心配になるかもしれません。審査に落ちたということは、保険会社にとってリスクを感じる要因があるという意味です。しかし、対策を講じて保険会社が懸念するリスクを取り除ければ、保険に入れるようになる可能性も残されています。

必ず保険に加入できるとは限らないものの、審査に落ちた場合は以下の対処法を試してみるとよいでしょう。

 

5-1.他の保険会社に申し込む

対処法の1つは、別の保険会社に申し込んでみることです。審査基準は保険会社によって異なり、同じ告知内容でも他の保険商品なら加入できるというケースもあります。

指定されている病気や治療の経過年数、危険とみなされる職種の範囲など、リスクが高いとされる判断基準はさまざまです。保険相談窓口によっては、複数の保険会社を比較検討し、まとめて申し込めるため、手続きの手間も減らせるでしょう。審査に落ちた原因を分析して、加入できる可能性を相談できる場合もあります。

 

5-2.引受基準緩和型保険に申し込む

引受基準緩和型保険という、一般的な生命保険より審査基準が緩和された保険を選ぶなら加入できる可能性が高まります。引受基準緩和型保険は告知項目が少なく、大抵の場合細かな傷病歴や持病の申告が不要なのが特徴です。健康状態によっては治療中でも加入可能なケースもあり、健康上のリスクに該当して審査に落ちた人は検討する余地があります。

ただし、引受基準緩和型保険は保障内容が制限されていたり、保険料負担が大きかったりするケースもあるため、注意が必要です。

 

5-3.期間を空けて申し込む

既往歴が理由で審査に落ちた場合は、一定期間をおいて再度申し込めば加入できるようになる場合があります。完治後、保険会社が定めている期間を過ぎれば告知する必要はなくなります。過去の病気が要因で審査に落ちたなら、期間を空けることで加入可能な状態になれるでしょう。

ただし、医師の診察なく自己判断で完治したとみなしてはなりません。完治からの期間を正しく数えないと、告知義務違反になる恐れがあります。また、申告不要な期間まで待っている間に、別の病気にかかってしまう可能性もゼロではありません。期間をおいている間に他の保険に加入できた可能性もあるため、期間を空ける方法を取るかは、慎重に検討しましょう。

 

まとめ

加入者の公平性を保つため、生命保険の加入にあたっては審査が行われます。審査を受けるときには、告知した内容をもとに、健康上のリスク・職業上のリスク・モラルリスクについて審査されます。審査結果には、「無条件」「特別条件の付加」「見送り(謝絶)」の3種があり、見送りになった場合は加入できません。審査を受けるときには、必ず正しい内容を告知しましょう。意図的でなくとも、虚偽の内容を告知した場合、告知義務違反に問われ、契約が解除される恐れがあります。

生命保険の審査に落ちた場合でも、他の保険会社に申し込んだり、期間を空けて申し込んだりすれば、加入可能になるケースもあります。また、引受基準緩和型保険などのリスクが緩和された生命保険に加入するのも手段の1つです。

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