掛け捨ての医療保険とは?おすすめな人と選び方。メリット・デメリットも

Column

保険の基礎知識
掛け捨ての医療保険とは?おすすめな人と選び方。メリット・デメリットも
  • 掛け捨ての医療保険って、結局何も残らないから損してるんじゃないかな…
  • 積み立て型の医療保険の方が、将来のためによいのでは?

医療保険の更新通知が届いたとき、このような不安や迷いを感じる方は少なくないでしょう。確かに、掛け捨ての医療保険は満期時に返戻金がないため、一見すると損と感じる方もいるかもしれません。

そこで本記事では、掛け捨ての医療保険の特徴やメリット・デメリット、向いている人の特徴を詳しく解説します。保険の見直しを考えている方は、ぜひ最後までご一読ください。

保険見直し本舗で保険相談の予約をする

掛け捨ての医療保険とは

掛け捨ての医療保険とは、支払った保険料が戻ってこない代わりに、比較的安価な保険料で医療保障が受けられる保険商品のことです。病気やケガで入院した場合に給付金を受け取れますが、保険期間が満了しても払い込んだ保険料は戻りません。

掛け捨て型と、貯蓄性を備えた積み立て型の保険は「どちらも基本的な仕組みは同じ」ですが、保険金を受け取れる条件が少し違います。

  • 掛け捨て型:保険期間中に病気やケガで入院・手術した場合などで給付金を受け取れます。保険期間が満了しても払い込んだ保険料は戻りません。
  • 積み立て型:掛け捨て型の保障内容に加え、満期時に満期保険金、解約時に解約返戻金を受け取れます。

両方のタイプの長所と短所をしっかり比較検討し、自分の生活状況や将来の計画に照らし合わせて決めるのがよいでしょう。詳しくは、下記ページをご覧ください。

関連記事:医療保険の選び方、「掛け捨て」と「積み立て」、それぞれのメリット・デメリットは?

いらない?掛け捨ての医療保険は必要か

医療保険は、自身の収入や生活スタイルに合わせた適切な保障を選ぶものであるため、一概に不要と言い切ることはできません。なかには、「掛け捨て」という言葉を耳にし、何となくお金を無駄にしているような印象を受ける方もいるでしょう。

決してお金を無駄遣いしているわけではなく、万が一の病気やケガに備えて毎月保険料を支払って「もしもの時」に備えた安心を買っているようなイメージです。医療保険の本質は「リスクに備えること」であり、掛け捨てで十分な保障を確保できる可能性もあります

関連記事:医療保険はいらないって本当?入らないと後悔する?必要なケースも解説

掛け捨て型の医療保険における3つのメリット

掛け捨て型の医療保険には、主に以下の3つのメリットがあります。

  • 保険料が比較的安価
  • 保障を見直しやすい
  • 保険商品のラインナップが豊富にある

保険料が比較的安価

掛け捨て型の医療保険の特徴は、積み立て型と同じ保障内容で比較して、少ない保険料で保障が得られる点です。

積み立て型は名前のとおり、払い込んだ保険料の一部が受取額のために積み立てられることにより、その分だけ保険料が高くなります。

ただし、保険料の一部が受け取り額となるのは健康お祝い金型と呼ばれるものです。健康お祝い金型は、一定の条件を超えて保険を利用すると積立金が戻らなくなる場合がありますのでご注意ください。

一方で、掛け捨て型は純粋に保障部分にのみ保険料が使われるため、コストパフォーマンスに優れているといえます。

保障を見直しやすい

掛け捨て型の医療保険は、保険期間に定めがないため、加入者の判断でいつでも解約や見直しも可能です。

積み立て型の場合、解約返戻金の損失を考える必要がありますが、掛け捨て型にはそうした心配がないため、より自由度の高い保険設計が可能です。

例えば、結婚や出産などのライフイベントで保障を手厚くしたい場合や、より条件のよい新商品が登場した際にも柔軟に保障内容を見直すことができます。

保険商品のラインナップが豊富にある

掛け捨て型は、保険会社各社がさまざまな特徴を持った商品を展開しているため、加入者は自身のニーズに合わせて保障内容を選択できます。

  • 保障内容
  • 保険料
  • 付帯サービス(無料相談、医師の紹介など)

など、比較検討できる項目が多いことは、加入者にとって自由な組み合わせを見つけやすくなります。

入院保障に特化した基本的な医療保険から、がん治療や先進医療までカバーする総合的な医療保険まで、幅広い選択肢の中から自分に合った保障を見つけられるでしょう。

なお、健康祝金型や還付金型は、保険商品数が少ない傾向にあります。しかし、保障内容は特約等充実してきており、現在では掛け捨て型とあまり変わりません。

掛け捨て医療保険のデメリットは?

掛け捨て型の医療保険におけるデメリットは、保障期間が終了した際に支払った保険料が一切戻ってこないことです。

貯蓄性を持たないことから、掛け捨ては「お金を無駄にしている」という感覚に陥りやすいです。ただ、医療保険に限らず、保険は将来のリスクに備えて「保障を購入している」というのが基本的な考え方となります。

また、掛け捨て型の医療保険では、基本的に契約者貸付制度を利用できません

契約者貸付制度とは、生命保険等の解約返戻金の範囲内で資金を借り入れできる制度のことです。急な出費が必要になった際に、この制度を活用できないと資金計画の面で不利になる可能性があります。

ただし、2つのデメリットは掛け捨て型の特徴であって、必ずしもマイナスとは限りません。むしろ、保険料が安くなる要因となっているため、「必要な保障を安く準備できる」というメリットの裏返しと捉えることもできるでしょう。

掛け捨ての医療保険がおすすめ・向いている人の特徴

掛け捨ての医療保険がおすすめ・向いているのは、以下のような人です。

  • 預貯金が少ない人
  • 保険をこまめに見直したい人
  • 豊富な選択肢の中から医療保険を選びたい人

預貯金が少ない人

医療保険は、公的医療保険制度でもある程度まかなえます。高額療養費制度を利用すれば、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に超過分が払い戻されるため、後から治療費を回収できるなどです。

ただ、問題となるのは入院時の差額ベッド代といった保険適用外の医療費で、一時的にでも支払額が高額になるケースです。例えば、1日あたりの差額ベッド代の目安は、以下のとおりです。

  • 1人室:8,322円
  • 2人室:3,101円
  • 3人室:2,826円
  • 4人室:2,705円
  • 全体平均:6,620円

出典:厚生労働省(主な選定療養に係る報告状況)(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001117412.pdf)、※一病室4床以下で一人あたり6.4m²以上の面積、ベッドごとにプライバシーを確保する設備および個人用の私服収納設備・照明・小机・椅子が設置されている病室が対象

保険適用外で全額自己負担となるため、入院の日数が伸びるほど負担は大きくなります。

もし、預貯金がまったくない場合、突然の入院や手術に対応できず、必要な医療を受けられない可能性があります。なるべく保険料の出費を抑えたい方は、掛け捨て型の医療保険に加入しておくと万が一の際に安心です。

保険をこまめに見直したい人

ご自身の保障内容をこまめに見直したいと考える方にも、掛け捨て型の医療保険がおすすめです。

積み立て型と同じ保障内容でも、掛け捨て型は保険料負担が小さく済みます。そのため、保険を見直す際の経済的な負担が少なくて済むほか、複数の保険会社の掛け捨て型を組み合わせるといった工夫も可能です。

ただし、掛け捨て型は支払った保険料のほとんどが保障費用となり、積立部分はほぼありません。つまり、保険料は戻ってこないと考えた方がよいでしょう。

豊富な選択肢の中から医療保険を選びたい人

自らのライフスタイルや健康状態、予算に合わせて保障を選びたい人にとっても、掛け捨て型の医療保険は選択肢となります。掛け捨て型の医療保険は、保険会社各社が工夫を凝らしていることから以下のような選択肢が多い傾向にあるからです。

  • 入院日数の設定(短期から長期の入院まで細かく選択可能)
  • 給付金額の設定
  • 女性特有の疾病への保障(乳がん・子宮がんなど)

例えば、入院日数や手術なども細かく設定できることもあります。また、女性特有の病気に対する保障や、がん治療に特化した保障などの保障を組み込むことも可能です。

掛け捨て型医療保険がおすすめできない人とは?

掛け捨て型の医療保険は、以下のような方には合わないかもしれません。

  • 保険料が返ってこないことに抵抗を感じる人
  • 長期的な資産形成を重視する人
  • 保険料の支払いに余裕がある人

掛け捨て型の医療保険は、その名の通り保険料が戻ってくることはありません。入院や手術などの給付金支払事由に該当しなければ、支払った保険料は文字通り「掛け捨て」となります

そのため、医療費保障以外の目的、例えば老後の生活資金や子どもの教育資金といった将来的な資金需要には向いていません。

また、経済的に余裕がある方には、将来的な資金需要と保険保障を同時に確保できる積み立て型(貯蓄型)の医療保険の方が適している可能性もあります。保険選びは長期的な視点で、自身のニーズや経済状況に合わせて慎重に検討しましょう。

積み立て型保険を検討する:貯蓄型保険とは?メリット・デメリット・選び方を分かりやすく解説

迷ったときの医療保険の選び方

医療保険は、

  • 掛け捨て型or積み立て型
  • 保険料はいくらが適切か
  • 保障内容は十分か

などの考慮すべき要素が多いため、選び方で迷うのは当然のことです。迷ったときには、以下に挙げた医療保険選びの3つのポイントから考えましょう。

  • 自身の貯蓄状況と収入に見合った保険料設定にできるか
  • 必要な保障内容(入院日額、手術給付金など)はあるか
  • 契約期間と更新条件は自らに合うか

特に掛け捨て型の医療保険を検討する場合は、保険料の安さだけでなく、保障内容のバランスを重視することも大切です。「今の自分に必要な保障は何か」を明確にしたうえで、保険料と保障内容のバランスが取れた商品を選びましょう。

関連記事:医療保険見直し・乗り換えのポイント 〜見直すタイミング・メリット〜

まとめ

掛け捨ての医療保険は、保険料が戻ってこないことから「もったいないのかも」と思われがちです。しかし、「もしもの時」のために少しでも保障を備えておくと安心です。

掛け捨て型の医療保険は、保険料を抑えて、豊富な商品ラインナップから選ぶことができます。また、保障内容の見直しがしやすいです。

自分に必要な保障は何かを考えつつ、保険料と保障内容のバランスを考えて保険を選びましょう。困ったときには、保険のプロに相談して豊富なラインナップから提案を受けてみるのもおすすめです。

保険見直し本舗で保険相談の予約をする

掛け捨ての医療保険についてよくある質問(FAQ)

医療保険は掛け捨てより積み立ての方がよい?

掛け捨て型と積み立て型、どちらがよいかは一概に判断できません。同じ保障内容で比較した場合、掛け捨て型の方が保険料は安くなります。

ただ、積み立て型には満期時に受け取れる健康祝い金や、解約時に受け取れる解約返戻金・還付金があり、将来の資金計画に活用できるメリットがあります。受取額にこだわらず、純粋に医療保障を準備したい場合は、掛け捨て型の選択もありと言えるでしょう。

関連記事:医療保険の選び方、「掛け捨て」と「積み立て」、それぞれのメリット・デメリットは?

掛け捨ての医療保険は控除の対象になる?

掛け捨て型の医療保険も生命保険料控除の対象となります。年末調整や確定申告の際に申請することで、所得控除を受けることができます。

なお、控除を受けるためには保険会社から発行される「保険料控除証明書」が必要です。詳しい控除の計算方法や申請手続きについては、下記ページをご確認ください。

関連記事:医療保険に入ると税金の負担が軽くなる?年末調整(確定申告)の控除手続きについて

保険の比較・見直し・申し込みを保険見直し本舗に無料相談する
保険見直し本舗の店舗を探す