定期保険とは? 必要性からメリット・選び方まで徹底解説!

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保険の基礎知識
定期保険とは? 必要性からメリット・選び方まで徹底解説!

仕事を始めたり、結婚をしたり、子どもができたり、ライフイベントの節目で気になるのが定期保険。自分に万が一のことが起こったときに、残された大切な家族の生活を助けてくれる保険です。

しかし、一口に定期保険といっても、多くの保険会社がさまざまなタイプを販売しており、どうやって検討していけば良いのか迷ってしまう……という方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、定期保険の基本について分かりやすく解説していきます。具体的なポイントとしては、「定期保険とはどんな保険か?」「定期保険のメリット・デメリットは何か?」「定期保険を選ぶ際に注意すべき点は何か?」といったことに関してご紹介しています。最後まで読んで頂ければ、自分に合った定期保険を見つけるうえでの基本が身に付くはずです。ぜひ皆さんの保険選びにお役立てください。

1.定期保険とは? ~特徴や仕組み~

定期保険は生命保険の一種で、万が一のことが起こったときに、まとまった保険金を受け取ることができます。「定期」という名前の通り、保険期間は一定期間になっています。その間に支払事由に該当しなければ、保険金は支払われることなく、満期とともに保障も終了します。

この章では、保障内容、保険期間、保険金額の3つのパートに分けて定期保険の特徴を解説していきます。まずは、そもそも定期保険はどのような保険なのかイメージを掴みましょう。

⇒定期保険と終身保険の最大の違いとは? 詳しくはコチラ!

1-1 保障内容はどうなっている?

定期保険の保障内容としては、基本的に死亡保障高度障害保障です。死亡保障については「亡くなったときに受け取れる保障」だとイメージしやすいでしょう。しかし、高度障害保障に関しては少し補足が必要かもしれません。

高度障害保障は「生存中に高度障害状態になったときに受け取れる保障」だと言うことができます。その高度障害状態の内容に関しては、保険会社や保険商品によって違いもあるので一括りにはできませんが、代表的な例としては「両目の視力を全く永久に失った状態」「言語またはそしゃく機能を全く永久に失った状態」「中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態」などが挙げられます。

また、定期保険で注意したいのは、解約返戻金や満期保険金は用意されていないことです。冒頭で少しお伝えしたように、定期保険では、あらかじめ決められた保険期間のうちに死亡保障や高度障害保障の支払事由に該当しなかったら保険金は支払われません。そのまま保険期間とともに保障は終了してしまいます。

しかし、その分、解約返戻金のある終身保険や、満期保険金のある養老保険と比べて保険料が割安になっているところは嬉しいポイントです。そうした特徴から定期保険は「掛け捨てタイプの保険」とも呼ばれています。

1-2 保険期間はどうなっている?

先ほどお伝えしたように、定期保険の保険期間は一定になっており、10年や15年といった比較的に短い期間を保険期間としています。そして、満期を迎えるたびに更新していく「更新型」と、30年といった比較的長い期間を保険期間として更新をしない「全期型」の2つから選ぶことができます。

具体的にこの2つはどのように違うのでしょうか。たとえば、同じ定期保険に30年間加入した場合を想定し、保険期間10年の更新型と、保険期間30年の全期型を比較してみましょう。

まず加入当初の保険料については、全期型よりも更新型のほうが割安になります。ただし、更新型は加入してから時間の経過とともに更新を迎えるたびに保険料が上がります。その一方で、全期型の保険料は30年間一定となります。よって、いずれ更新型よりも全期型のほうが保険料が割安になるタイミングがやってきます。

このように考えると、ごく短期間のみの保障であれば更新型、ある程度長期間の保障であれば全期型が相応しいと言えるでしょう。

更新型と全期型の保険料のイメージ

ちなみに、更新型と全期型の基準とは別に、保険期間の設定方法には「年満了」「歳満了」の2つがあります。年満了は、5年間・10年間・15年間といった年数で保険期間を決めるというもの、歳満了は、65歳まで・70歳まで・80歳までなどといった年齢で保険期間を決めるというものです。基本的に更新型の保険期間は年満了で設定されていることがほとんどで、全期型の保険期間は歳満了で設定されることが多くなっています。

1-3 保険金額はどうなっている?

保険金額については、基本的に一定のものがほとんどです。加入時点に設定した保険金額が途中で変わることはありません。

なかには、契約期間の年数が増えていくにつれて保険金額が少しずつ減っていく逓減(ていげん)定期保険なども見られます。この逓減定期保険は、年数が経つにつれて保険金額が減っていく分、保険料も安くなるので、通常の定期保険よりもピンポイントかつコンパクトに保障を準備することができます。

このように定期保険は、決まった期間だけ効率よくリスクに備えるために有効な保険と言えます。

定期保険と終身保険の違い

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2.定期保険の必要性と向いている人について

前章では、定期保険とはどんな保険なのかについて見てきました。ここでは、これらを踏まえて定期保険の必要性と向いている人の特徴をまとめていきます。

2-1 定期保険の必要性

まずは定期保険の必要性について確認していきましょう。

たとえば、自分や配偶者にもしものことが起こったときに、残された家族が経済的に困らないかどうか考えてみてください。恐らく多くの家庭が、今まで通りの生活水準を維持するのは厳しいのではないでしょうか。特に家計の収入を支えているパートナーが亡くなったケースや、小さな子どもがいるなど、将来的にさまざまな費用がかかってくるケースでは、残された家族の金銭的な負担は大きくなることが予想できます。

そのような経済的なリスクをカバーするのが定期保険の大きな役割です。定期保険は、残された家族の生活に必要となる費用を補てんしてくれます。割安な保険料で手厚い保障を用意できるという特徴があるので、大きい金額になりがちな生活費や子どもの学費への備えに適しています。自分が亡くなると家族が経済的に困ってしまうかも……、そのような不安があるのなら、定期保険の必要性は大いにあると言えるでしょう。

2-2 定期保険に向いているのはどんな人?

前節で定期保険の一般的な必要性を見ていきましたが、そのなかでも特に定期保険が向いているのはどのような人なのでしょうか。大きく分けるなら、小さな子どもがいる家庭と、片働き家庭です。それぞれなぜ定期保険が向いているのか、見ていきましょう。

●小さな子どもがいる家庭
現在、日本の進学率は高くなっており、多くの場合、子どもは幼稚園から大学まで通うことになります。そのため、小さな子どもがいる家庭では継続的に学費が必要になってくることが予想されます。幼稚園から大学までの学費の総計は1,000万円程度だと言われており、一般的にこれはかなりの負担だと言えます。

それでは、まだ子どもが小さいうちに両親のどちらかに万が一のことがあったら、その学費をまかなうことができるでしょうか? もちろん各家庭の収入によって変わってきますが、通常は難しいのではないかと思います。

「子どもにやりたいことをやらせてあげたい」というのは親心。金銭的な理由で子どもに夢を諦めさせることは避けたいはずです。そうした事態にならないようにするためにも、小さな子どもがいる家庭には、万が一のときの学費の備えとして定期保険が向いていると言えるでしょう。

●パートナーの間で収入の差がある家庭
今では家庭のスタイルはさまざまですが、パートナーの収入に差がある家庭もあります。その代表的な例としては、片働き家庭が挙げられるでしょう。片働きの家庭では、どちらか一方のパートナーが家計を支えていることになります。また、共働き家庭であっても、パートナーの収入に大きな差があることは十分に考えられるケースです。

そのようなパートナー同士の収入に差がある家庭の場合、主に収入を得ているパートナーに万が一のことが起こったら、家計の収入が心細くなってしまいます。残された家族は、生活的に苦しくなる可能性が非常に高いと言えるでしょう。そう考えると、パートナーで収入差のある家庭のなかで主に収入を得ているパートナーは、しっかり定期保険を準備しておきたいところです。

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3.定期保険のメリットとデメリット

では定期保険は、どのようなメリットとデメリットを持っているのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

3-1 定期保険のメリット

定期保険の主なメリットとしては、「割安な保険料で手厚い保障を準備できる」「高額な保険金額に設定しやすい」「家計の状況に合わせて保険を見直しやすい」などが挙げられます。

●割安な保険料で手厚い保障を準備できる
冒頭でお話をしたように、定期保険は積み立てタイプではなく、掛け捨てタイプです。そのため、満期保険金や解約返戻金がなく、同じ保険金額で比較した場合、終身保険よりも保険料が割安になっています。その意味で、割安な保険料で手厚い保障を準備しやすいと言えるでしょう。

●高額な保険金額に設定しやすい
場合によっては、死亡保険で高額な保障を準備したいというケースがあります。そのとき、満期保険金や解約返戻金などの貯蓄性のある終身保険で準備したとすれば、保険料はかなりの金額に達してしまいます。それに対して定期保険は掛け捨てタイプになるので、同じ保険料であれば終身保険と比べるとより大きな保障を備えることができます。この点は、限られた保険料で大きい保障を用意したいという方にとっては、大きなメリットだと言えるでしょう。

●家計の状況に合わせて保険を見直しやすい
すでに述べたように、定期保険は終身保険などと比べて保険期間が短く、満期保険金や解約返戻金のない「掛け捨てタイプ」です。なので、その時々の家族や家計の状況に合わせて、解約、保障の削減、保険の乗り換えがしやすくなっています。ライフプランに応じて柔軟に見直しをしていきたい方にとっては、適した保険だと言えるでしょう。

3-2 定期保険のデメリット

定期保険の主なデメリットとしては、「満期保険金や解約返戻金がない」「保険期間を過ぎたら保障がなくなる」「更新型の場合、保険料が上がっていく」などが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

●満期保険金や解約返戻金がない
終身保険のような貯蓄性のある保険であれば、保険料の一部が積み立てられているため、その分のお金が満期や解約時に保険金という形で受け取ることができます。しかし、定期保険は貯蓄性がなく掛け捨てのため、満期金や解約返戻金はなく、あったとしても受け取れる額はごくわずかです。貯蓄目的の方や、万が一に備えながら貯蓄をしたいという方には、あまり定期保険は向かないと言えるでしょう。

●保険期間を過ぎたら保障がなくなる
定期保険の保険期間は一定期間になります。したがって、もしも保険期間を過ぎたあとに亡くなったり高度障害状態になったりしても、保険金を受け取ることはできません。場合によっては、「昨日までだったら保険金を受け取れたのに……」ということもありえます。その点には、しっかりと注意を払うとよいでしょう。

●更新型の場合、保険料が上がっていく
定期保険のなかには、一定期間ごとに更新を迎えるタイプが存在します。その更新型の場合、更新されるたびに保険料が上がっていきます。つまり、年齢が上がるとともに保険料も大きくなっていくことになります。特に高齢での更新時には保険料が大幅にアップすることが多くなっています。長期にわたる死亡保障を用意したいのであれば、定期保険だけではなく、終身保険も視野に入れて検討していきましょう。

4.定期保険選びの3つのポイント

続いて定期保険を選ぶにあたって必ず確認しておきたい3つのポイントを見ていきましょう。気を付けるべきなのは、「保険金額・保険期間の設定」「保険料の比較」「健康状態による割引制度が設けられているかどうか」です。それぞれどういうことなのか、具体的に見ていきましょう。

●保険金額・保険期間の決め方
まず定期保険を選ぶうえで悩ましいのが、保険金額と保険期間をどうするのかというところではないでしょうか。これらを設定していくうえで考えたいのは、「定期保険に加入する目的」です。そもそも何に対して備えるために定期保険が必要なのか、この目的を明確にしましょう。

たとえば、同じ定期保険に加入したい人であっても、万が一のことが起こったときに、家族の生活費用に備えたいのか、子どもの学費を用意したいのか、それに応じて適切なプランは違ってくるはずです。保険金額と保険期間については、まず加入目的を明確にイメージし、そこから逆算をしていくようにして決めるのがベターだと言えます。

●保険料を比較する
定期保険を選ぶ際にしっかりとチェックしておきたいのが「保険料」です。すでにお伝えしたように、定期保険の保障内容は非常にシンプルになっており、各保険会社で大きな違いは見られません。基本保障は死亡保障と高度障害保障のみ。このベースについてはどこの保険会社でも同じです。

そこで具体的に商品を決めるうえで参考にしたいのが保険料。保険金額と保険期間が決まったら、さまざまな商品を比較しながら保険料負担が軽いものを選んでいくと良いでしょう。

●健康状態による割引制度の有無
最近の定期保険の動向として、健康状態が優れている方は保険料の割引を受けられるタイプが登場しています。この割引制度は通称「健康優良体割引」と呼ばれており、被保険者の喫煙の有無や、血圧、BMIなどの数値を申告し、それらが一定の基準を満たしていれば、通常よりも割安な保険料で契約を結べるというもの。特に喫煙をしていない方や、血圧やBMIが健康的な数値の方は、割安な保険料で加入できるケースも多いようです。健康に自信のある方は、定期保険を選ぶうえで是非とも健康優良体割引の有無に着目してみましょう。

まとめ:定期保険は比較して選ぼう!

いかがでしたでしょうか?
ここでは、定期保険の基本的な知識について見てきました。簡単に記事の内容を振り返っておくと、次のようになります。

  • ●一定期間の保障を割安に受けられる
  • ●終身保険より保険料が割安で、手厚い保障が受けられるのが特徴
  • ●定期保険が必要な人は「小さな子どもがいる家庭」「片働きの家庭」
  • ●メリットは「割安な保険料で手厚い保障を準備できる」「高額な保険金額に設定しやすい」「家計の状況に合わせて保険を見直しやすい」
  • ●デメリットは「満期保険金や解約返戻金がない」「保険期間を過ぎたら保障がなくなる」「保険料が上がっていく」
  • ●定期保険の選び方は「保険金額と保険期間を決める」「保険料で各保険会社の商品を比較する」「健康状態による割引制度の有無をチェックする」

などについてお話してきました。

この記事に目を通すことで、定期保険の大まかなイメージは掴んで頂けたのではないかと思います。

すでにお伝えしたように、定期保険はシンプルな保障内容になっており、一見どれも同じように感じてしまうかもしれません。しかし最近では、各保険会社ともにユニークな特徴を持った商品も販売しています。

また、家族の生活保障や子どもの学費の準備ということであれば、収入保障保険や学資保険も併せて検討していく必要があるでしょう。そもそも自分に定期保険が本当に合っているのか、定期保険が合っているとしてどこの商品が良いのか。これらを考えていく作業は決して簡単ではありません。

「うーん、自分だけで定期保険を選ぶのは大変そうだな……」

少しでもそう思われた方は、プロの意見に耳を傾けてみるのも一つの方法です。

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