「生命保険の見直しをしたいけど、どこから手をつければいいのかわからない…」とお悩みではないでしょうか。家計の見直しを行う中で保険料の負担が気になり始めたり、友人から見直しについて聞いたりして、自分も検討すべきか迷っている方も多いでしょう。
しかし、生命保険の見直しには注意すべき点が意外に多いものです。そこで当記事では、生命保険の見直しに関する重要な注意点や、適切なタイミング、相談窓口などについて詳しく解説します。
目次
生命保険の見直し時の注意点4選
生命保険の見直しは、ライフステージの変化や経済状況の変化に応じて行うものです。とはいえ、解約して新しい保険商品を契約するだけという簡単なものではありません。
ここでは、生命保険を見直す際に押さえておくべき5つの重要な注意点を紹介します。
- 現在の契約を安易に解約しない
- 健康状態の変化による影響を加味する
- 新しい保険の審査・免責期間を確認する
- 解約返戻金の有無を確認する
1. 現在の契約を安易に解約しない
生命保険の見直しを考える際、多くの人が真っ先に思いつくのが「解約」ではないでしょうか。ただ、現在の契約を安易に解約すると解約返戻金がないか、あってもごくわずかしか戻らない場合もあります。
つまり、支払ってきた保険料が無駄になってしまうかもしれないわけです。そのほかにも、生命保険の契約を安易に解約する際のリスクには以下のようなものがあります。
- 健康状態(持病や既往症)によっては新たな保険に加入できないことがある
- 解約後に新たに契約しなおすと、年齢によっては同じ保障内容でも保険料が高くなりやすい
- 医療特約やがん特約など、重要な保障を失う可能性がある
こうしたリスクを避けるために、現在の契約と新しい契約を詳細に比較し、メリット・デメリットを明確にしてから特約の追加や減額など、既存の契約の見直しを検討しましょう。
2. 健康状態の変化による影響を加味する
生命保険の見直しを検討する際、現在の健康状態が加入時と比べてどのように変化しているかを慎重に考える必要があります。すでに触れたように、健康状態の変化は新たな保険への加入可否や保険料に影響を与える可能性があるからです。
過去に傷病歴がある場合、その傷病の具体的内容や治療時期、完治時期、投薬期間などによって、加入できる保険に制限がかかることがあります。健康状態の告知をする「告知書」の質問事項に答え、傷病歴の記載を必要とする内容は保険の種類などにより異なります。
過去の健康診断結果や現在の健康状態を確認し、新しい保険に加入する際に影響がないかを事前に保険会社に相談しましょう。また、必要に応じて医師の診断書の用意も考慮してください。
3. 新しい保険の審査・免責期間を確認する
生命保険の見直しで新たな保険に加入する際、審査と免責期間について理解しておくことも大切です。
まず、保険加入時の審査は、不公平をなくし、安定した保険制度を保つために行われるものです。保険会社は、支払事由発生のリスクが高い人を加入させるか判断するため、主に健康上・職業上・モラルの3点から審査を行います。
次に、免責期間とは、契約後一定期間、給付金が支払われない期間のことです。例えば、がん保険に90日間の免責期間が設けられていた場合、この期間中に発症したがんは保障の対象となりません。
この2つの側面から見て、新しい保険に加入する際は現在の契約との間に「空白期間」が生じないよう注意することが大切です。
4. 解約返戻金の有無を確認する
解約返戻金は、契約を途中で解約した際に戻ってくるお金のことを指しますが、その金額や有無は保険の種類や契約期間によって異なります。
一般的に、解約返戻金のある生命保険の方が保険料は高くなりやすい傾向にあります。また、加入期間によっても違いが生じ、契約初期はあってもごくわずかという場合が多いです。
対策として、現在の契約の解約返戻金を確認し、解約のタイミングによる返戻金の変動も考慮しましょう。解約返戻金と新しい保険の保険料を比較し、長期的な視点で見極めることが重要です。
【年代別】生命保険の見直し時の注意点
ここでは、年代別に生命保険の見直しの注意点を解説します。
20代の場合
20代の方の場合は、就職、結婚、そして家族形成などのライフステージが変化しやすい年代です。生命保険における注意点としては、変化に応じた定期的な見直しを考えることです。
例えば、就職直後に加入した保険が、結婚や出産後のニーズに合わなくなる可能性があります。また、健康や仕事に関する保険内容、例えば医療保険や就業不能保険で病気や怪我で働けなくなった際の経済的リスクをカバーするなどです。
20代の生命保険見直しのポイントは、現在の生活状況だけでなく、将来のライフプランを見据えた柔軟な保障設計にあります。より詳しくは、下記ページをぜひご覧ください。
30代の場合
30代の方の場合は、生命保険の見直しで病気やがんのリスク、そして死亡リスクを踏まえた保険内容を考慮してみてください。注意点としては、保険料負担を抑えることだけを目的とせず、適切なリスク対策を考慮した保険内容を選ぶことです。
例えば、死亡保障は家族の将来を守るために重要ですが、同時に医療保険やがん保険も検討する価値があります。また、資金準備の観点から見ると将来の資金需要に備える手段として、養老保険や変額保険などを考えてもよいでしょう。
大切なのは、現在のニーズだけでなく、将来のライフステージの変化も見据えることです。より詳しくは、ぜひ下記ページをご覧ください。
40代の場合
40代の方は、キャリアの充実や子どもの成長など、様々な変化が訪れる中で生命保険の見直しを考えることが増えてきます。この年代で注意したいのは、自らに万一のことがあった際、残された家族にはどの程度の経済的な助けが必要かというところです。
家族の経済的リスクの変化と自身の健康リスクの両面を考慮し、バランスの取れた保障設計を行うことが万一の備えにつながります。より詳しくは、下記ページもご覧ください。
50代の場合
50代は子どもの独立や老後への準備など、様々な変化が訪れる時期です。この時期の生命保険の見直しで注意しておきたい点は、生活習慣病や三大疾病(がん・脳血管疾患・心疾患)のリスクに備えることです。
「健康だから大丈夫だろう」ではなく、万一にどの程度まで備えるかが1つの判断基準となります。また、この年代では定期保険や終身保険の特約が切れ、突然保障がなくなる可能性もあります。
保険料が上がらない終身型の保険を選んだり、平均寿命の延伸に伴い将来的に必要となる介護保険などを検討してみるとよいでしょう。詳しくは、下記ページをご覧ください。
生命保険の見直しで失敗しないための3つのポイント
生命保険の見直しでは、以下に挙げた3つのポイントを押さえることで失敗のリスクを抑えやすくなります。
- 家族の将来設計を明確にする
- 複数の保険会社や商品を比較検討する
- 新しい保険契約が成立してから加入中の保険を解約する
1. 家族の将来設計を明確にする
生命保険の見直しを行う際、家族の将来設計を明確にしてみましょう。若くて保険料が安い時期に加入した保険を安易に切り替えることは、必ずしも得策ではありません。
特に、古い保険ほど予定利率が高いため、安易な切り替えは避けておきたいところです。将来を見据えて、どの保険を解約するかというよりも、どの保険を残すことがより有効かという視点で考えることがポイントです。
例えば、子どもの教育費や老後の生活費など、将来の出費を見据えた上で現在の保障内容が適切かどうかを判断しましょう。結婚、出産、住宅購入など、人生の節目ごとに保険の見直しを考えてみるのも一案です。
生命保険の見直しは、単に保険料を下げることだけが目的ではありません。家族の将来設計に基づいて長期的な視点で保険商品を選ぶようにしましょう。
2. 複数の保険会社や商品を比較検討する
生命保険を見直す際には、一社だけでなく複数の保険会社や商品を比較検討することも重要です。各保険会社によって提供される商品や保障内容、保険料は異なることから、幅広く情報を集めることで最適な選択肢を見つけやすくなります。
まず、インターネットや保険ショップなどを活用して、様々な保険会社の商品情報を収集しましょう。その際、保障内容だけでなく、保険料や特約、解約返戻金の有無なども比較のポイントになります。
また、複数の保険会社の相談窓口や保険代理店を訪れて、直接話を聞くのも効果的です。専門家の意見を参考にしつつ、自分のニーズに合った保険を見つけられるでしょう。
ただし、たくさんの情報に惑わされないよう注意が必要です。自分や家族の状況、将来の計画などを踏まえて、本当に必要な保障は何かを明確にしておくことが大切です。
3. 新しい保険契約が成立してから加入中の保険を解約する
新契約の正式な成立には、
- 申込書類に不備や記入漏れがないこと
- 保険会社所定の診査や告知が通ること
- 1回目の保険料が保険会社に着金すること
という3つの条件が必要です。
告知に引っかかったり、書類に不備があると新しい保険に入れない・成立が遅れる等の可能性があります。そうすると無保険の期間ができてしまい、この期間に病気やケガをしても給付金を受けられなくなってしまいます。
保険を切り替える場合は、必ず新しい保険契約が成立してから加入中の保険を解約するようにしましょう。
生命保険の見直しが必要なタイミングとは?
生命保険の見直しは、人生の節目や環境の変化に合わせて行うのが基本です。主なタイミングとしては、以下のようなライフイベントが挙げられます。
- 就職・転職
- 結婚
- 出産
- 住宅購入
- 子どもの独立
- 定年退職
- 保険の更新時期
なお、保険の見直しを考えた際には、下記ページもぜひ参考になります。タイミングや具体的な方法を解説しています。
関連記事:保険を見直したい
どこがいい?生命保険の見直しを相談できる窓口
生命保険の見直しを検討した際には、主な選択肢としてファイナンシャルプランナー(FP)、保険会社、保険代理店/ショップという3つの窓口が挙げられます。
それぞれの特徴を理解し、自分のニーズに合った窓口を選びましょう。
相談窓口 | 特徴 |
---|---|
ファイナンシャルプランナー(FP) | 幅広い金融商品や生活設計に対応し、ライフプラン全体を考慮してもらえる |
保険会社 | 自社商品に特化したアドバイスを受けられ、1社での統一や手続き簡素化もできる |
保険代理店/ショップ | 複数の保険会社の商品を比較でき、取り扱いする保険商品から幅広い選択肢を提案してもらえる |
より相談できる窓口について詳しくは「ポイントをまとめたこちらの記事」を参考にしてください。
保険見直し本舗では、お客様1人ひとりのニーズに合わせたオーダーメイドのプランをご提案します。保険の見直しについてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
生命保険の見直しはライフステージの変化に応じて、保険料の負担と保障内容のバランスを取ることが大切です。
注意点としては、現在の契約を安易に解約しないこと、健康状態の変化や新しい保険の審査・免責期間・解約返戻金を確認することなどが挙げられます。また、年代ごとに異なるニーズや注意点を理解し、それぞれの状況に合わせた最適な保障を選択しましょう。
生命保険の見直しを考えた際には、家族の将来設計を明確にし、複数の保険会社や商品を比較検討しておくことも一案です。少しでも疑問がありましたら、保険見直し本舗へお気軽にご相談ください。
生命保険の見直しの注意点に関するよくある質問(FAQ)
定年で生命保険を見直すとどうなりますか?
定年退職時の生命保険見直しは、ライフステージの転換点となるものです。この時期には、以下のような変化が生じます。
- 必要保障額の減少
- 医療保障の重要性増加
- 将来的なリスクへの対応
このことから、定年時の生命保険見直しでは、死亡保障を減らし、医療保障や老後の生活資金に重点を置いてみてください。詳しくは、下記ページもご覧ください。
関連記事:定年退職した時の保険の見直し方
生命保険の見直しは入れ墨があると不利になりますか?
入れ墨(タトゥー)があることで、生命保険の見直しが必ずしも不利になるわけではありません。しかし、感染症のリスクはゼロではないこと、入れ墨を反社会的勢力との関連性の指標となる可能性があることなどには注意したいところです。
そのため、入れ墨の有無を隠さず、正直に告知してください。保険加入を諦めるのではなく正直に申告し、個別の状況に応じて判断を受けることが大切です
生命保険の見直しで乗り換える際の注意点は?
生命保険の乗り換えを検討する際は、以下の点に注意が必要です。
- 新旧の保険の保障内容を詳細に比較して不利益が生じないか
- 加入時と比べて健康状態が変化していないか
- 免責期間による保障の空白期間は生まれないか
- 解約返戻金について確認したか
いずれにおいても、見直しでは慎重な比較検討と適切なタイミングでの手続きがポイントです。より詳しくは、ぜひ下記ページもご覧ください。
生命保険の見直しで解約する際の注意点は?
生命保険を解約する際は、以下の点に注意する必要があります。
- 契約初期の解約では返戻金がないか少額になりやすいこと
- 健康状態の変化によっては新たな保険への加入が難しくなること
- 年齢が上がると同じ保障内容でも保険料は高くなる可能性があること
- 医療特約やがん特約などの保障が失われる可能性もあること
ポイントは解約前に検討を行い、必要に応じて保険の見直しや減額などの代替案を考えることです。生命保険の解約について詳しくは、下記ページでもまとめています。